なんとなくな日々(新潮文庫)
著者 川上弘美
春の宵には、誰もいない台所で冷蔵庫の小さな鳴き声に耳を澄まし、あたたかな冬の日には、暮れに買い置いた蜜柑の「ゆるみ」に気づく。読書、おしゃべり、たまの遠出。日々流れゆく出来事の断片に、思わぬふくよかさを探りあてるやわらかいことばの連なりに、読む歓びが満ちあふれます。ゆるやかにめぐる四季のなか、じんわりしみるおかしみとゆたかに広がる思いを綴る傑作エッセイ集。
なんとなくな日々(新潮文庫)
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2023/08/19 00:12
ほわっとしてます
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
コレを読んだのが、コロナ禍最中だったので、余計、ほわっと感、つまり、ゆるい……と感じたかも知れません。今ならば違うかもですけど。エッセイとしてはいいかも。
なんとなくな日々
2009/03/11 08:52
心地よくもゆるい日々
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱせりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
エッセイです。
特に事件が起こるわけでもなく、淡々とした生活をゆったりとした文章でつづります。
正直、ゆるいです。
でもそのゆるさがなんとも心地よいのです。
日常の煩雑さに翻弄されて、余裕なくきりきりしているところにじんわりと染み渡りました。
ふかーく深呼吸して、ちょっと遠くを見渡してみよう、などと考えながらゆるゆると読みました。
案外とらわれている日常もどうってことないかもしれない。
ゆっくりご飯を食べて、めったに飲まないお茶なんて飲んでみよう。
そんなたわいないことで意外と人はリセットできるということを思い出させてもらいました。
本当になんてことない日常なのに、そこはやっぱり小説家。
その観察眼に驚かされたり、ちょっとした幸福感のおすそ分けをいただけたり、さすがの筆力です。
解説が「日曜研究家」の串間努なのも本編とちょこっとリンクしていてうれしいところです。