「脱原発」成長論 ――新しい産業革命へ
著者 金子勝 (著)
二一世紀の経済は、その基盤となるエネルギーと食料を基軸にして地域分散ネットワーク型に変わっていくことになる。まず何よりも、自然由来のエネルギーは地域に根ざすので、地域分散型にならざるをえない。それが地域の新たな雇用を作り出す。危機を脱する希望の書!
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「脱原発」成長論 新しい産業革命へ
2012/02/15 04:18
脱原発で心から豊かな社会を
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この人だけは、本当にどうして、こう次から次へと、人の気持ちを逆なでするような・・・」とどうしても言いたくなる人がいる。もともとの考え方が180度逆を向いているのだから仕方がない、と気を静めようと思っても、どうしても落ち着かない。
石原東京都知事も、間違いなくそのような類の人の一人である。
原発反対の動きに対してこのように言ったそうである。
「代案も出さずに言っている限り、センチメントの域を出ない」「挫折があったり失敗があったり事故もあったけど、それを体験しながら克服することで文明が進歩して今日まで来た」
いまもなお、福島第一原発の被害に苦しめられている人に対して、「センチメント」と切り捨てられる感覚はどこから来る?
この膨大な被害を単なる「挫折」とし、それを糧にして生きろと言ったような物言いがどうしてできる?
2月11日付け朝日新聞『「原発投票条例作らない」石原都知事が署名活動批判』の記事で見つけた言葉である。
石原都知事は、市民グループが制定を求めている原発の是非を問う住民投票条例について、10日の定例会見で、「作れるわけない。作るつもりもない」と言い切ったそうである。
石原都知事に言いたい。この署名は「原発反対」の署名ではないのだ。「原発の是非を問う住民投票条例制定」の署名なのだ。
中身も確認せず、「作らない」と言い切る姿勢は、住民の意向など一切考慮しないと言っているのと同等ではないのか。単なるファッショ以外の何者でもない。
とここまで書いて思い出した。この人に今さらこんなことを言っても仕方がない。これまでも何度も同様なことがあった。
残る頼りは、多くの東京都民である。少なくとも次の都知事選では、東京都民は理性を見せて欲しい。できうれば、それまでにも、リコールなりなんなりして、現知事を辞めさせる意気込みを見せて欲しい。こんな人を何度も知事に選んでしまった東京都民の罪は重い。
脱原発は十分可能である。現にいま日本中のほとんどの原発は止まったままの状態である。このまま電力需要期までに個人個人が何に気をつければよいか考えてみるといい。
ほんの自分の身の回り、我が町の街中の姿を見回してもらいたい。どれだけ無駄な電力が使われているか。
精神論ではなく、単純にみんなが、身の回りのスイッチを一つ一つ切っていけば、原発は必要ない。
そして、すべての原発を停止させたときのエネルギー消費のあり方、そしてこの国の経済規模、成長の度合いを色々な角度から皆で決めていかなければならないのではないか。
冒頭の話に戻る。そんな時にファシズムが大きな顔をしていてはならない。大きな邪魔ものでしかない。これだけは絶対に間違いない。