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人はなぜ宗教を必要とするのか
著者 著:阿満利麿
宗教なんてインチキだ、騙されるのは弱い人間だからだ―「無宗教」を標榜する日本人は、たいていそう考える。しかし、そんな「無宗教」者も、「本当の生き方」を真剣に模索しはじめたとき、また、人の死など身にあまる不条理を納得したいと願ったとき、無宗教ではいられなくなってくるのではないだろうか。宗教に対する誤解にひとつずつ答え、そもそも宗教とはどういうものなのかを説き、「無宗教」から「信仰」へと踏みだす道すじを平易に語っていく一冊。
人はなぜ宗教を必要とするのか
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人はなぜ宗教を必要とするのか
2006/09/30 05:58
容易に理解出来る宗教入門書
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の日本人には、「無宗教」と答える人が多い。宗教には、「創唱宗教」と「自然宗教」とがある。「創唱宗教」とは、所謂「宗教」という概念。「自然宗教」とは、先祖を敬うとかという感覚であり、「無宗教」と答える日本人でも「自然宗教」の概念を持っている人は多いようである。
死ねばどうなるか?これが宗教のある意味出発点であるかも知れない。私は、所謂「あの世」というものが有るとも考えられるし、「死ねば全てが無」とも考えられるのである。現代の人々は、後者を感じている人が多いと著者は言う。科学的だからだと考えられるからそう考えるので無いか?とも言う。しかし、これは一切誰にも実証出来ないので、本当に科学的な答えは、「分からない」なのである。「永遠の謎で、誰もが分かる事」それが「死」なのである。
本書には、「宗教」と関係無いのでは?と思える話題も掲載されていた。それは、「バカ」と「アホ」の違いである。「バカ」とは、相手を見下して吐く言葉であるのに対し、「アホ」とは、自らも「アホ」と自認し、相手も「アホ」お互い「アホ」やという感覚で有る。また、「アホ」と呼ばれる人も自分が「アホ」な事を認めているのである。穏やかな関係が、そこには有る。
「人はなぜ宗教を必要とするのか」この明確な答えは、本書から読み取れなかった。しかし、私は思っている。宗教とは、「個」のもの。そして、「大きな本当の意味での幸福感」を得るには、「宗教心」というのは不可欠ではないかと。私は、私自身の宗教を持ち、信じている。人には、「私は教祖であり、信者である」即ち、教祖一人、信者一人の宗教であると人には話す。正しく「個」の教では、無いだろうか?