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5件
ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
著者 矢野久美子 著
『全体主義の起原』『人間の条件』などで知られる政治哲学者ハンナ・アーレント(一九〇六―七五)。未曽有の破局の世紀を生き抜いた彼女は、全体主義と対決し、「悪の陳腐さ」を問い、公共性を求めつづけた。ユダヤ人としての出自、ハイデガーとの出会いとヤスパースによる薫陶、ナチ台頭後の亡命生活、アイヒマン論争――。幾多のドラマに彩られた生涯と、強靭でラディカルな思考の軌跡を、繊細な筆致によって克明に描き出す。
ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
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ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
2015/10/27 23:01
アーレントが近くなる
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tekogiboat - この投稿者のレビュー一覧を見る
アーレントの著作の現在性と彼女自身の生き様がこの一冊の新書のなかで焦点を結ぶ。この本を読んだあとアーレントの著作がぐんと読みやすくなりました。
また、彼女が授業を受けたり交遊関係があった人たちがどんな思想の持ち主だったのかもよくわかるように紹介されていて、アーレント以外にも読みたい人たちが増えました。
新書らしくとても読みやすいのに、こんなに濃く深くてありがたい。同著者によるがっつりしたアーレント研究本も読んでみたい。
ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
2015/08/11 07:57
政治哲学の枠を超え、現代世界が抱える問題を読み解ける傑作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ウルルン - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都市立西京高校付属中学の入試問題にも出題されたハンナ・アーレント。
戦争と平和、さらに大量虐殺という民族浄化問題について、誰が悪か?誰が正義か?を問うた傑作。
全日本人が詠むべき本。
ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
2023/02/28 23:19
1番好きな政治思想を知る為の最初の入門書
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:芥葉秀薫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつか、なぜか分からないがハンナ・アーレントという人が私は好きである。しかしどんな人か私は無知だったので入門書としてこの書籍を手に取った。
印象に残ったのはフランス政府から出頭を命じられた所からアメリカに亡命するわずか15ページである。ギュルス収容所からの脱出、ベンヤミンとの別れ、リスボンでの乗船までの待機それぞれの点でハンナが亡くなってもおかしくはなかった。しかし、神様は彼女を生かしたのだ。それは私から見ればナチスがしていることが「おかしい」と世界に伝えることが必要である。その役目をユダヤ人であり亡命者でもある彼女に負わせたのである。その本人は知るはずもない期待に彼女は「エルサレムのアイヒマン」として答えたのである。例え賛否両論を受けて最悪の事態が起こることがわかっていたとしても、ナチスのしたことを世界に発信したのである。
そのことが誕生から最悪の事が起きて亡くなるまで時系列で分かる書籍となっています。