電子書籍
ルネッサンスの光と闇
著者 高階秀爾 著
人間性の開放と現実世界の肯定という明るい光の部分の裏側に、世界の終りに対する恐れ、死の執念、混乱と破壊への衝動、破滅へのひそかな憧れ、非合理的幻想世界への陶酔といった別の一面を持つルネッサンス……。ボッティチェルリの《春》や、ヴァティカン宮殿の署名の間、メディチ家の礼拝堂といった傑作を輩出したその精神的風土と芸術のからみあいを、刷新した多数の図版をもとに解き明かす。
ルネッサンスの光と闇(上) 芸術と精神風土
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2020/08/11 10:31
美術についての数々の著作を発表されてこられた高階秀爾氏によるルネサンス期の芸術作品の美しさ、そこに秘められた象徴的意味を解き明かしてくれる作品です!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、東京大学美術史研究室教授として『芸術のパトロンたち』、『西洋の眼 日本の眼』、『バロックの光と闇』、『水絵の福音使者-評伝大下藤次郎』など数多くの著作を発表され、啓蒙的役割を果してこられた高階秀爾氏の作品です。同氏は、ルネサンス期以降の西洋美術を専門としながら、日本近代美術にも造詣が深くその方面でも多くの論文を発表されてきた方です。同書は、ルネッサンス期の作品については語られたもので、当時の芸術作品においては、背景の細部の表現に到るまで、なんらかの象徴的意味をもって描かれていると主張されています。美術作品の表面的な美しさを追うだけではなく、同時代の文学作品や、歴史書、哲学書をひもとき、作品に描かれた意味や豊かな内容を解読することによって、ルネッサンス期が持つ精神的風土を明快に解き明かした興味深い作品となっています。刷新されてされた図版が多数収録されており、見るだけでも楽しい一冊となっています。
2020/08/11 10:24
美術史学者、美術評論家の高階秀爾氏によるルネサンス期の精神的風土と芸術の絡み合いを解き明かした傑作です!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、美術史学者であり、美術評論家でもあり、東京大学文学部名誉教授、大原美術館館長の高階秀爾(たかしなしゅうじ)氏の作品です。同氏は、『フィレンツェ:初期ルネサンス美術の運命』、『近代美術の巨匠たち』、『名画を見る眼』といった名著がありますが、同書もその例外ではありません。中公文庫では上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその上巻です。内容は、人間性の開放と現実世界の肯定という明るい光の部分の裏側に、世界の終りに対する恐れ、死の執念、混乱と破壊への衝動、破滅へのひそかな憧れ、非合理的幻想世界への陶酔といった別の一面を持つルネッサンスに焦点を当て述べられていいます。ボッティチェルリの《春》や、ヴァティカン宮殿の署名の間、メディチ家の礼拝堂といった傑作を輩出したその精神的風土と芸術のからみあいを、刷新した多数の図版をもとに解き明かしていく名著です。