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やまない雨はない 妻の死、うつ病、それから…
著者 倉嶋厚 (著)
「小春日和のような穏やかな暮らしを一変させた妻の入院、そしてあまりに唐突な末期ガン宣告。それは私にとって、すさまじい木枯らしの日々の始まりでした」。老年期のとば口でたったひとりの家族を失ない、やがて深い孤独と後悔から体調を崩し、しだいにうつ状態へと落ち込む。元NHKのお天気キャスターとして人気を博した著者が、伴侶の死、自殺未遂、精神科入院を経て回復するまでの痛切な日々を率直に語り、反響を呼んだベストセラー。
やまない雨はない 妻の死、うつ病、それから…
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やまない雨はない 妻の死、うつ病、それから…
2004/06/24 22:41
雨はまた降るけれど
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:macjj - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の語り口が旨いのと、文庫本の文字が大きめなのもあって、一気に読み終えた。私も「鬱」を経験し、長い年月苦しんだ。この本に書かれている心境になるまでに幾多の時間を必要としたことか。
「欝」で苦しむ方々がこの本から「欝」から脱出する方法を見つけようとしても無理かもしれない。参考になるとしたら「薬は主治医の言うままに、信じて飲み続けること」くらいであろうか。毎日毎日様々な不安やいわれない苛々や、死にたくなる感情が沸き起こる中で、多少身を縮めながら生きていくしかないのかもしれない。各人の「鬱」は、それぞれの「鬱」であって、自分が解決していくしかない。その方法は、様々だろうが、作者の語っているように、時々訪れる「小春日和」の心境は非常に似通っている。まるで自分のことを書いてくれているように思えてくる。
それにしても作者の語りの旨さには関心してしまう。ごく普通の言葉を使って、ごく普通に書いているように思えるその技には脱帽。