- みんなの評価
10件
私の男
著者 桜庭一樹 (著)
私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。
私の男
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
私の男
2010/04/17 00:31
父と娘の近親愛。
17人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第138直木賞受賞作です。
一部のファンには兎も角、1回直木賞を候補になるも落選したのも兎も角
世間的には、本書で桜庭さんは、一大ブレイクしたのだと思います。
そんなに熱心なファンではなかったけど、もう一流作家の世界にいっちゃった感じです。
北上次郎さんも、本書あたりから、桜庭さんを大プッシュしだしていました。
(しかし、私的には、そんなに化けたって感じもしないのですが、、、)
震災で家族を失った、花とその養父となった腐野淳悟との近親愛を描いています。
お互い、欠損家族だと認め合い、お互いをもっとも必要としている二人。
世間からどう思われようと、絆も強く、求め合っています。
だが、第三者として、いや、感情移入しながら、
2.何人か称で読んでいる読者にとって
なにか、釈然とせず、どこかおぞましい感じさえする二人の愛。
本書は、時間が逆行するように構成されていて、淳悟の若いときが徐々に描かれていくのですが、ストーカーのように花がおさないときから追いかけていたことも判り、余計にそれを感じます。
二人が求め合い、合致すればするほど、違和感を感じていきます。
どんな親子でも、母親と息子と関係もそうですが、父親と娘の関係もどこか例えようのない
恋愛とはちがう絆というか、愛情の間柄をもっています。
それが、小説として作品として描かれることによって、なんともいえない雰囲気とともに表現されているように思いました。
これは、実は、桜庭さんの得意技なんですね、、。
しっかりした純粋な想いなんだけど、異常性、狂気みたいなものを含んでいる
家族いや、関係を変だということを全面に出さず、
読者にはしっかり違和感を持たせながら伝える。
一大メジャーになった桜庭さんですが、
文壇の稼ぎ頭の中心選手として物凄く変わったんだろうなぁ、と思って読んでみて
意外と変わっていなかったのでちょっぴり安心したかもです。
私の男
2023/10/27 17:24
人間臭い人間の話
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんでこんなにクズなのだろう
なんでこんなに愛しいのだろう
それで表現できる
私の男
2019/09/06 15:57
気持ち悪いけど、正直面白い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カツセウョシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
エグさや切なさを描いてあって、衝撃でした。
引き込まれます。
映画化されてるので、観てみたいです。