電子書籍
探検家の憂鬱
著者 角幡唯介
生のぎりぎりの淵をのぞき見ても、もっと行けたんじゃないかと思ってしまう」
探検家にしてノンフィクション作家の角幡唯介が、みずからの性とジレンマを描き尽くす。
冒険とは何なのか。
生きるとはどういうことか。
自分はいったい何者なのか。
極限状況において、自らに問い続けた果てに、しぼりだされた珠玉のことば。
いま最も期待される探検家、はじめてのエッセイ。
探検家の憂鬱
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紙の本探検家の憂鬱
2019/09/18 14:54
角幡唯介の探検
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
探検家のエッセイというと、命の危険にさらされた経験がいくつも並んでいるような印象を抱くが、この本は違う。もちろん雪崩に三回巻き込まれた話などスリル満点の話もあるが、それより著者自身と探検の向き合い方について記されている。
著者は本文で探検が社会性を失い、より個人的な行為になったと書いている。これは我々が考えるスリルたっぷりの探検というより、どちらかというと生徒氏や自然と文明について考える哲学や文学に近い。著者が本文の中で宇野常寛やカミュを引用するのもそういった表れだろうか。とにかく私は著者の「個人的な」探検をもっと読んでみたいと思った。
紙の本探検家の憂鬱
2016/02/07 09:27
ユウウツをかかえながら・・・
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジョンドリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「空白の5マイル」におけるツアンポー峡谷からの脱出時の心境や、日本の山で雪崩に埋まった(3回も!)体験は、興味深く読ませてもらいました。
タイトルとなっている、ノンフィクション作家・探検家である筆者がかかえているユウウツとは・・・、
今日においては、ヒマラヤ登山も南極探検も冒険としての社会的な価値はほとんどなくなった(と思われる)ことがひとつ。
探検とは安全が最優先されるべきもので、無事に行って無事に帰ってくるのが最高の結果。でも、ハプニングがない探検はノンフィクション作品として、おもしろ味に欠ける(つまり売れない?)ものになってしまうことがもうひとつ。
そんなユウウツをかかえながら、今後また、人々に訴えかけるノンフィクション作品を提示してくれるであろう角幡さんに、エールをおくりたい。