- みんなの評価
10件
永い言い訳
著者 西川美和
妻が死んでも泣けない男のラブストーリー。映画化話題作
予期せず家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか――。人を愛することの「素晴らしさと歯がゆさ」を描ききった物語。
永い言い訳
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
永い言い訳
2016/12/09 14:53
この世の全ては『ゆれる』のだ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
西川美和は人間の心を暴く。
登場人物の、それまで本人すら目を背けていた心の弱さを、他者に迎合されぬ感情を、読者の前に次々と提示する。
読者は、突如晒された登場人物たちの本当の姿に戸惑い、それまで自分が見ていた世界の不確かさに居心地の悪さを覚えるようになる。
しかし、それぞれの真実が明らかになった後も、読者には彼らを断罪することはできない。著者自身にその意思がないからであろう。彼女はただ、この世の全ては『ゆれる』のだと言っているに過ぎない。
西川美和作品を読んだ後に覚えるのは、人間という不器用な生き物に対する憐憫や、哀しみである。人と人は永遠にわかり合うことはなく、何事も思う通りにいくことはない。哀しい生き物であるが、それゆえ愛おしくもある。
『永い言い訳』は、事故で妻を亡くした男の物語である。とうに冷え切った関係に涙一つでなかった主人公・幸夫であるが、同じ事故で妻・母を亡くした父子との出会いをきっかけに、亡くなった妻と初めて向き合い始める。
著者自ら集大成と語り、“かつてない「感動作」になった“とあらすじに書かれる通り素晴らしい作品だった。
読後、「永い言い訳」というタイトルにもグッとくる。西川美和作品として例にもれず、永い余韻が残る良作である。映画もぜひ観たい。
永い言い訳
2016/10/31 00:30
また読み返したい
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makorin - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を見る前に読んでおきたくて手に取ったのですが、主人公以外の視点から描かれている部分も多く、同じ出来事を違った角度から眺めることができて面白く読めました。
映画も観ましたが、改めて読み返してまたあの世界観に浸りたいと思います。
永い言い訳
2016/10/24 19:16
映画原作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白猫のニュウさん。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画原作という事で読んでみました。最初はそれぞれの視点と口調で語る部分がある。
難しい題材で一体最後はどうなるのか読み進めていくほど不安になりました。
最後は夫が妻の事を思い、泣くという描写でしたがずっしりと重い最後の一文でした。