- みんなの評価
1件
朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏 韓流時代劇と朝鮮史の真実
著者 宮脇淳子
驚愕の歴史改ざんの願望を徹底検証!!
政権争い、内紛、隠蔽、歴史改ざんを繰り返す
韓国の政治はまるで韓流ドラマ……
韓国の歴史=脚色されたファンタジー
『奇皇后』を加筆!『朱蒙』『太王四神記』『善徳女王』『龍の涙』『チャングム』『イ・サン』『ファン・ジニ』……どれをとってもウソだらけ!
知って観れば、もっと面白い!
※本書は二〇一四年年七月、小社刊『韓流時代劇と朝鮮史の真実 ─朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏』(扶桑社新書)を改題、第二章~四を新たに収録、加筆訂正しました。
朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏 韓流時代劇と朝鮮史の真実
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏 韓流時代劇と朝鮮史の真実
2021/09/17 21:29
「世宗がつくったというハングルを庶民に普及させたのは福澤諭吉である」?
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮脇淳子は「世宗がつくったというハングルを庶民に普及させたのは福澤諭吉である」という珍説を開陳する為には、「春香伝」「沈清伝」のようなハングル文学が読まれていた事が読者に知られては「都合が悪い」ので、「確かにハングルで書かれた小説はありました。しかし、それが世間で広まったという証拠は一切残されていません」などという嘘(この人、「朝鮮人は嘘つきだ」と思い込んでいるらしく、「嘘」という言葉が連発している)を親本に書き飛ばして、そのままにしている。こういう、少しでも朝鮮の文化に関心を持てばすぐに見抜けるような嘘を書き飛ばすから、「最後の遊牧帝国」で色々な言語を駆使した書いた人から嘘つきのトンデモ本ライターと見做すようになったものだ。この本に出て来る菅野裕臣がインターネット上で公開した自叙伝に岩波文庫の「春香伝」を言及しているのに、それすら読んでいないのではないのか?何しろ「聞き書き ある憲兵の記録」を買うのが惜しいので「キメラ」の引用を孫引きして済ませる御仁だ。本当にケチ臭い。
宮脇淳子は甲午改革でハングルが公用化されたのを知らないので、「歴史歪曲」などと嘘を書いている。自分にとって「都合が悪い」事は全て「嘘」、「捏造」、「歪曲」で済ませるのだ。
宮脇淳子は親本の後に出た「真実の朝鮮紙」で田代和生氏の「倭館」(「新・倭館」ではない)の記述に衝撃を受けたらしい発言を宣っているが、「元和から寛永初期」に朝鮮から日本に輸入された品目の中に「白紙、油紙」が含まれている。にもかかわらず、和暦で言えば元和5年のサルフの戦いで朝鮮兵が身につけていた鎧が紙製だったので「皮肉な話ですが、朝鮮の紙は質があまり良くないから厚ぼったくて硬いのです」と見てきたような事を親本で書いて、そのままにしている。随分と不誠実な事だ。田代和生氏は講書始の儀で進講者となった人だから「反日左翼学者」なわけがないだろう?宮脇淳子の目には運動家まがいの派手なパフォーマンスをしている研究者ばかり見てしまうらしく、田代氏のような地道な日朝貿易の研究者は見ないようだ。
お友達の古田博司は岩波から「金日成と金正日」という翻訳書を出しているが、著者の徐大粛は同じ南労党裁判を「金日成」では全然違う事を書いている。古田博司が尊敬している徐大粛は自著の「朝鮮共産主義運動史」を朴正熙と金日成が読んだので、それまで朝鮮共産主義運動という南北双方でタブー視している分野を扱っている為に訪問出来なかった韓国と北朝鮮とを訪ねたそうだが、研究の深化とか知られざる史料が公開されたり見つかったりして取り上げた対象の評価が変わったとかならまだしも、本によって書いている内容と評価がバラバラでは信用しろ、と言われても信用出来ない。
まあ宮脇淳子は「モンゴルの歴史」という著者がある人だから、「奇皇后」の問題点(宮脇が言うところの「嘘」)は多少は見抜けるので、旧作で書いた内容に加えるわけだ。
「トンイ」や「馬医」のようなNHKで放送してから繰り返し放送される「歴史歪曲番組」を取り上げないで「奇皇后」を追加しているのは、専門分野とかぶるのでやりやすいのだろう。逆に言えば、それが宮脇の限度を露わにしているように見える。「倭館」を読んでいれば「馬医」の異人街のおかしさぐらいは分かりそうなものだが。あれは植民地時代の京城の日本人街の感覚か?
そう言えば「倭館」に許浚の「東医宝鑑」が対馬藩から将軍吉宗に献上されてから朝鮮に関心を持った一件が書かれているのは、当然読んでいるだろうね?ここが吉宗と宮脇淳子の違いが見えてくる。