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3件
未来の二つの顔
著者 ジェイムズ・P・ホーガン , 山高昭
レイモンド・ダイアー博士は、ニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した……。ハードSFの第一人者ホーガンが卓越した科学知識を傾けて描くコンピューターSF!
未来の二つの顔
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未来の二つの顔
2001/06/17 17:00
人工知能の傑作はHALだけじゃない!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイアー博士は人工知能の世界的権威。ところが、月面基地で人工知能の思わぬ能力の飛躍による事故で人があやうく殺されかける。地球上を覆う人工知能ネット網に対する論議がまっぷたつに分かれる中で、ダイアーはある提言をし、それは実行に移される。果たして人工知能は人類の敵なのか、味方なのか。
ああ、読んで欲しい。ここで展開される人工知能論は現実に即したもので、多分現実でも人工知能基礎として十分通用するはずだ。ハードSFだと、知識をひけらかすあまり、基本的な面白さを犠牲にしているものが多いが、この本に関してはその心配はご無用。ラストに向けて指数関数的にテンションが上がっていく。そしてとどめにラストが……美しい。ビジュアル的な美しさという意味ではない。人工知能ものならかくあるべしという最高のラスト。発表された時期は多少古いが、古びていない。読めぇぇ!
未来の二つの顔
2017/01/15 23:02
近未来
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kawa12 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェイムズPホーガンの先見性が垣間見れるような作品。本当にこのような事態が起こらなければ互いに共存できないのか?近い未来で起きなければいけない状況かもしれない。
2016/02/13 21:40
壮大なる実験SF
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔からSFは、機械と人間を題材にした様々な話を書いてきた。有機生命体と機械生命体の永遠の戦いを描いたベンフォードの〈銀河の中心〉シリーズやセイバーへーゲンの〈バーサーカー〉シリーズ。またアシモフの〈ロボット〉シリーズのように人間のサポートや仲間として描かれた作品も多数存在している。今やSF設定といわれるモノでコンピューター(機械)が出てこない作品は皆無と言っていいでしょう。
この作品もその系統の一つなのですが一風変わっていて他の作品では当たり前になっている敵にしろ味方にしろ機械が人間(生命)を認識するという事とはどういう事かを真正面から取りあげて真面目に検証しようとしている。その為、機械(AI)が人間とはどんな存在であるかを学ばせる為にスペースコロニーを丸々一つ潰して検証実験を行うのである。おバカでしょ。(笑)
かくも壮大なる実験SF、楽しんで下さい。