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遣唐使 阿倍仲麻呂の夢
著者 著者:上野 誠
帝国・唐の重臣閣僚となった阿倍仲麻呂。その非凡な才は新生国家としての日本を体現する知そのものだった──。仲麻呂の生涯を貫く夢と、ただ一首だけ残された歌「天の原」の謎を、日唐交流史を背景に鮮やかに描く!
遣唐使 阿倍仲麻呂の夢
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電子書籍遣唐使 阿倍仲麻呂の夢
2021/09/28 08:55
阿倍仲麻呂と唐の文化
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
阿倍仲麻呂を通じて当時の唐王朝の科挙人脈や詩が大事であったこと、詩を詠むためには多くの古典が暗唱できる必要があったこと(本書では王維が仲麻呂に送った送別の詩序が解説されている)などなど当時の唐宮廷の様子が語られ面白かった。
電子書籍遣唐使 阿倍仲麻呂の夢
2015/11/15 19:04
奈良時代のグローバル人材
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉備真備らとともに養老の遣唐使(716)として、唐に長期留学した阿倍仲麻呂の一生。
奈良時代に、留学生でありながら唐の太学に学び、科挙の試験を通過。玄宗皇帝に仕え国務副大臣クラス(秘書監)まで登り詰めたグローバルな人材。天平勝宝の遣唐使(752)の舟で日本に帰国することとなったが難破の結果、唐に戻ることとなり一生を終える。
上野先生は、数少ない史料からその経緯を読み解く。圧巻は、日本に帰国する際に、王維が仲麻呂のために詠んだ送別の詩の解釈。盛唐の宮廷社会の学識の深さがなければ、読み解けないその高度さを明かしてくれる。
【学んだこと】
・大宝律令により官位などの政治制度、学令などの教育制度が中国と同じ国家運営システムであったこと(グローバルスタンダード)
・君と臣がともに詩を唱和することが、和楽を象徴する(君臣和楽)文化で、文人官僚(科挙派)は、その学識と詩才の権威として宮廷における地位を得ていたこと
・仲麻呂は王維、李白、杜甫らと詩才を磨き、太学の学友など交友範囲が広かったこと(人的ネットワーク)
・唐の側にも、留学生を多く受け入れる事が、皇帝の徳を示すものであるという受入体制ができていたこと