- みんなの評価
5件
五体不満足 完全版
著者 乙武洋匡 (著)
現在(いま)の思いを加筆した、感動の大ベストセラー! 「障害は不便です。だけど不幸ではありません」喧嘩にスポーツ、課外活動。大勢の仲間に囲まれて、明るく楽しい“オトちゃん”の物語は、生きる勇気を与えてくれる。日本中にセンセーションを巻き起こした感動のベストセラー。単行本刊行以降、多くの苦悩と喜びを経験した著者が“現在”の心境を加筆した完全版。
五体不満足 完全版
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
五体不満足 完全版
2008/12/15 19:01
奇跡
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
五体不満足 乙武洋匡 講談社文庫
わたしの読書は、同時に複数の本を読んでいく手法です。今読んでいるそのうちの2冊は、「だからあなたも生き抜いて」大平光代著、「五体不満足」乙武洋匡著。2冊ともに読み始めたばかりですが、 書き出しにある両者の共通点に「学校」が挙げられます。 太平さんのほうはイジメに対する「憎しみ」、乙武さんは障害者扱いされない「協調」から始まります。
わたしの通勤時間は、片道1時間半から2時間、電車を乗り継ぎながらの毎日です。急行は混雑しているので、 今日は各駅停車にしました。夕暮れの街並みをながめながら、「きれいだなあー」、読んでいたのは、「五体不満足」乙武洋匡著。読み始めて3分の1ぐらいです。不覚にも読みながら涙がにじんできます。絶望と希望を 奇跡がつなぐお話しです。すごすぎて、言葉が出てきません。
五体不満足 完全版
2005/05/05 05:15
とにかく周りの人とのエピソードが面白い。
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「感動のベストセラー」と紹介されているが、私は感動よりも笑いのほうが多かった。今さら説明するまでもないが「障害者の本」ではなく、「青春の1ページ」といった感じ。文章も軽快で、とても面白い。周りの人との絡みが、とてもとても面白いのだ。
本文中「初めて障害者に出会った時、壁を感じてしまうのはしょうがない。しかし時間が経ってもその人と付き合いにくければ、無理に付き合う必要はない。そこで「差別だ」など言ってきたら「アンタの性格が悪いんだよ。」と教えてあげよう。」だなんて・・・バッサリ。「障害者だから」という言い訳をしないから、周りの人も「乙武洋匡」として付き合っているのだろう。
しかし・・・乙武さんのお母さんはすごい。肝っ玉母さんだ。
中1の息子に対し「友達と旅行?日程決まったら教えてね。母さんも旅行に行きたいから。」
ヤクザ風の人に出会った息子に対し「あの人達はツメても小指でしょ?あんたは全身ツメてんだから敬意を払って当然よ。」などなど・・・。
読み終わると、まるで同級生のような気分だ。自分も同じように学校へ行き、同じように悩み、同じように遊んだ。「こういう活動的な人っていたよなぁ。」という感じ。
「障害者」という言葉だけでビビってしまうが、「特別な人」ではないのだ。障害があることによって不便なことは多いだろう。しかし「特別」ではない。そこの違いをよく理解し、出来ないことをお互いに協力しあっていくことが、「バリアフリー」ではないだろうか。
五体不満足 完全版
2010/03/05 08:52
響きあう人間関係
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:坂田チップス - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の人柄がいい、に違いない。まっすぐで、気負いがなくて、頭がいい。母子の初対面で動揺することなくまっさきに喜びを口にしたお母さんとか、学校のために引越しも厭わないお父さんとか、ご両親にも恵まれている。将来を見越した厳しい、けれど愛情のこもった指導を考えてくれた先生や学校との出会い。特別扱いではなく、ハンデの分だけ補えるようなルールを作って一緒に遊ぶ友人たち。
響きあうように、いい人間関係が構築されていて、小さなエピソードの一つ一つに泣いたり笑ったりしてしまう。
作者が『五体不満足』だからじゃない。あったとしても、それはきっかけでしかない。心と心が通じあうあたたかさとか、思いやりとか、そういうことが描かれているから、読んでいて清清しい。