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箱根駅伝に賭けた夢 「消えたオリンピック走者」金栗四三がおこした奇跡
著者 佐山和夫 (著)
挫折を味わった者だけが、人生の勝者になれる――明治45年、日本が初めて参加したストックホルム・オリンピックで味わった屈辱の途中棄権。しかし、逆境をバネに後進の育成に努めた金栗は、箱根駅伝のほか、福岡国際マラソンを創設し、自らも54年8ヵ月余の歳月をかけて、ついにマラソンのゴールラインに辿り着いた。
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電子書籍箱根駅伝に賭けた夢 「消えたオリンピック走者」金栗四三がおこした奇跡
2019/01/29 16:08
「いだてん」の人生はすごかった
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金栗四三。かなくりしそう、と読む。
2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公としてすっかり有名になった名前だが、スポーツライター佐山和夫さんのこの本が出版された2011年の時点ではそんなに多くの人が彼の名前を知っていたとは思えない。
ましてや、この数年後に彼が大河ドラマの主人公になるとは、佐山さんだけでなく誰も思わなかったに違いない。
すでにドラマでは金栗四三の少年期を放映済だが、四三という珍しい名前は父親の43歳の時に生まれたからだという挿話はドラマでも描かれていた。
金栗四三のすごいところは、初めてオリンピックに参加した日本人だということだ。
参加したのは1912年の第5回ストックホルム大会だった。
1912年というのは明治45年にあたる。ただし、この年の7月30日に大正に改元されているが、金栗四三が走ったマラソンは7月14日だったから、明治の終りを駆けたことになる。
ただし、本の副題にあるように金栗四三は完走できず、「消えたオリンピック走者」となった。
この本では金栗四三が走ったストックホルムの地を著者が訪ね、何故彼が完走できなかったのか、またその時彼はどういう状態で誰が救護したのかを描いている。
日本人として初めて参加したオリンピックに惨敗した金栗四三であるが、彼がすごいのはそのあとのことだ。
本のタイトルにあるように、今やマラソン以上に人気のある「箱根駅伝」の礎を作るなど、後進の指導に尽力をしたことだ。
金栗四三はアスリートであったが、実は教育者としての功績の方が大きかったのかもしれない。