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陽炎の門
著者 葉室麟
下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至る主水。事件の鍵となる不可解な落書の真相とは――武士の挫折と再生を切々と訴える傑作。
陽炎の門
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紙の本陽炎の門
2016/04/21 01:11
タクタク読み
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
鋭利で順調に若くして執政まで登りつめた主人公・桐谷。策謀により窮地に落とし入れられる。
過去に、友を自らの介錯にて永久の別れとなって刺さっている主人公を更に苦しめる。そして、果敢に立ち向かう…
最後には、妻・由布が、「ひとは自らの命を託す人に出会えたら、それが幸せ」
この言葉が、この本の肝でしょう。◎
心にしみますね。
紙の本陽炎の門
2016/05/21 14:10
まさしく、時代物ミステリー
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菊男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の作品はこれで26作品目、文庫で発売されるたびに読んでいます。
いつものつもりで読み進めているうちに何か違うものを感じました。
どちらかというといままではち着いた流れの中に全体を通してあるテーマを感じさせることが多かったのです。
今回も人間の生きざまを訴えるテーマは強く伝わってきましたが、
桐谷主水をキーマンとして、いわゆるお家騒動的な流れの中にリズミカルな展開が新鮮でした。
本編を読み終えて、解説を読んでそうだったのかと納得しました。
紙の本陽炎の門
2019/11/17 08:04
清濁…濁のほうが多いか…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読むつもりでしたが、読み進めるうちに、2度目だとわかりました。
最初は、イヤで読まなかったんだと思います。
「さわらびの譜」の清四郎のような、「螢草」の市之進のような、あるいは「辛夷の花」の半五郎のような男性に惹かれますが、一途に清廉に生きる人は少ないのかも。
かといって悪を積み重ねるのは、あってはならないことですが。
いろいろ考えさせられる本でした。