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若者のための政治マニュアル
著者 著:山口二郎
政治の基本が良くわかる全く新しい教科書。もっとわがままに生きろ。無責任でいいじゃないか。権利を使え。本当の敵は誰だ。50歩と100歩は大違い。当たり前のことを疑え。政治を考える勇気が湧く本! (講談社現代新書)
若者のための政治マニュアル
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若者のための政治マニュアル
2009/02/01 18:43
政治を肌で感じるスキル
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治学の使命とは「権力者の行動を看破できるスキル」を身に付ける
ことにあるらしい。権力者もニンゲンなので完璧ではない。
麻生総理の記者会見を見ていればそれはわかるし、オバマ大統領だって、
権力者が完璧ではないことを自分で認めている。だから、権力者の
行動を看破できるスキルが、われわれ民衆の側に必要なんだろう。
本書は、小泉改革がいうところの「自己責任原則」によって育ってしまい、
差別に鈍感になってしまったらしい若者に向けて書かれている。
差別に鈍感なものが世の中の主流を占めてくると、無視され
搾取される人たちが構造的に生まれてきてしまい、鈍感力では
すまされなくなる。ここ最近頻発している人の痛みに鈍感な
犯罪は、この社会が生み出してしまったもので、国民主権の日本に
おいて、責任は国民にある。つまり、わたしだ。
それをすんなり許容できるほどわたしの器は大きくないので、
マニュアル育ちの常として、政治参加のために本書を読み込んでみると、
選挙権という権利についてあらためて考えさせられる。政治の肌触りは
選挙を通じて得られるもので、選挙の肌触りはその後の世の中の
チェンジ!によって得られると思うのだが、足りなかったのは、
冒頭に上げた「権力者の行動を看破できるスキル」であり、それが
選挙権という権利を活かすものなのだ。
ということで、自分の住む社会についてもっと虚心坦懐に眺めながら、
来るべき総選挙において、権力者がいったいこの国をどうしようと
しているのか、自分はどんな社会に住みたいのか、自分の生活を
彩る周りの人間と、喫茶店や居酒屋でちょっと話してみようかと
思う。日本にオバマはいないので、勇ましく一気にバッサリ
変えるのではなく、みんなでボチボチ理想に向かう感じで。