電子書籍
〈情報〉帝国の興亡 ソフトパワーの五〇〇年史
著者 玉木俊明
情報を制する国家が覇権を獲得する!17世紀オランダの活版印刷、19世紀イギリスの電信、20世紀アメリカの電話――、世界史上のヘゲモニー国家は、情報革命の果実を獲得することで、世界の中核となった。しかし、インターネットがもたらしたのは、中核なき世界だった!ソフトパワーの500年の歴史を辿りながら、「近代世界システム」の誕生から終焉までを描きだす一冊。
〈情報〉帝国の興亡 ソフトパワーの五〇〇年史
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2018/12/19 12:46
情報を制する国家が、世界を制する。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、それまで軍事力や経済力という視点で見てきたヘゲモニーを情報という視点で、いかにして世界を制したかを書いた一冊である。
17世紀オランダでは活版印刷によりヨーロッパを中心に均質化した情報が流通するようになり、当時アムステルダムは武器貿易ともに商業情報の中心地となった。
19世紀の英国では電信が発明され、それを世界中に敷設したことにより商業情報がロンドンのシティ街に集積され、世界の経済の中心となった。
20世紀のアメリカは、アレクサンドル・グラハム・ベルが発明した電話によりアメリカを中心に世界中に電話網が張り巡らされた。また第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制により、世界中にアメリカ企業が進出し、莫大な利益を獲得する。
21世紀はインターネットの時代といわれるが、世界中どこにいても情報が届いたり繋がったりする反面、不確実性の情報も流れるようになり、2008年の金融危機や2010年からおこった「アラブの春」などの社会情勢の混乱を引き起こすことになる。
これらは持続的経済成長を前提とする近代世界システムが終焉しつつあるということ、それに変わる新たなシステムが構築される段階であること。
そして、アメリカに変わる新たな情報手段を持った国家が世界が制する。