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群青の湖
著者 芝木 好子
琵琶湖のほとりにひとり嫁いできた瑞子は、旧家の重みと夫の背信から、幼い櫻子をつれて生まれ育った四谷に戻る。かつて美しい染めや織りの技を競いあった仲間にむかえられ、瑞子は群青の湖の永遠の神秘を、その片鱗でもよいから1枚の布に止めたいと願うのだった。精魂をこめ格調高く織りあげた傑作長編。
群青の湖
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2024/01/20 17:29
自由と伝統と仲間と因襲と
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投稿者:花わさび - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的に柴木作品のなかでイチオシの長編です。染色を志すヒロインは、自由な研究室で仲間との絆の中に育ちます。ところが運命的に結婚したのは、芸術を志す寄る辺ない一匹狼と見えた男性。実は彼の背には近江八幡の大きな因襲的旧家がのしかかって。ヒロインは運命に流されているようで、常に意思を持ち、情感を磨き、仲間との絆の中で成長していく。染色や染織といった工芸芸術の世界を舞台に、琵琶湖の自然が象徴的な輝きを見せる大作です。