電子書籍
子宮の記憶 ここにあなたがいる
著者 藤田 宜永
かつて僕を誘拐した女と過ごす夏。それは、新たな愛と事件の始まりだったーー会いに行こう、かつて僕を誘拐した女に! 生後3日で新生児室から連れ去られた過去を持つ、17歳の島本真人は、実母の愛を充分に受けずに育った。父が経営する歯科医院の機材を壊して、現金を持ち出した真人は、神奈川県の真鶴を目指す。そこには「誘拐犯」黒江愛子が住んでいるのだ。<『キッドナップ』改題作品>
子宮の記憶 ここにあなたがいる
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2009/02/07 00:10
今にも降り出す空の黒さに似たざわざわした不安感が流れている
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読書は風呂場で - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観ようと思っていたのに観そびれていたことを思い出して読んでみた。
映画と原作は別物と多くの人が言われているので映画もいつか観てみたい。
映画では、舞台は沖縄らしいが、真鶴と沖縄ではなんていうか、空の色が違うように思う。
全編を通して、降り出す寸前の黒い曇り空を見た時のようななんともいえない、さびしくて孤独な印象が胸にせまる。
人ひとりの存在なんて、大きな運命のそのうねりのなかでどれほどちっぽけなものだろう。
自分でもどうしようもできない環境や思わぬできごと、そしてどうにもおさえられない欲情というか業というか。
生きることって楽じゃない。