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透析を止めた日
著者 堀川 惠子
「私たちは必死に生きた。しかし、どう死ねばよいのか、それが分からなかった」
なぜ、透析患者は「安らかな死」を迎えることができないのか?
どうして、がん患者以外は「緩和ケア」を受けることさえできないのか?
10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末、透析を止める決断をした夫。
その壮絶な最期を看取った著者が、自らの体験と、徹底した取材で記す、慟哭の医療ノンフィクション!
解説 日本腎臓学会理事長・南学正臣(東京大学腎臓内分泌内科教授)
<序章>より
「夫の全身状態が悪化し、命綱であった透析を維持することができなくなり始めたとき、
どう対処すればいいのか途方に暮れた。
医師に問うても、答えは返ってこない。
私たちには、どんな苦痛を伴おうとも、たとえ本人の意識がなくなろうとも、
とことん透析を回し続ける道しか示されなかった。
そして60歳と3ヵ月、人生最後の数日に人生最大の苦しみを味わうことになった。
それは、本当に避けられぬ苦痛だったか、今も少なからぬ疑問を抱いている。
なぜ、膨大に存在するはずの透析患者の終末期のデータが、死の臨床に生かされていないのか。
なぜ、矛盾だらけの医療制度を誰も変えようとしないのか。
医療とは、いったい誰のためのものなのか」
透析を止めた日
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2025/04/22 18:53
透析のこと、なにも知りませんでした…
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投稿者:Hiroro - この投稿者のレビュー一覧を見る
血液透析の患者さんの壮絶な最期、血液透析をめぐる日本国内の医療事情と経済事情、腹膜透析に熱心に取り組む医療関係者の方々…。知らないことばかりで、読んでいて驚きの連続でした。最愛の亡きダンナさまの闘病生活を振り返りながらの取材と執筆は、堀川さんにとって本当に過酷だったと思います。それでもこの作品を書き上げた堀川さんの熱い思いを、ぜひ多くの方に読んで感じて頂きたい。そして、日本の透析をめぐる医療が、患者さんにとってより良いものになっていくことを願わずにはいられません。