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21件
天下四国
天に選ばれたのは、放浪の王。元王族の飛牙は、長く厳しい逃亡生活の末、仲間も理想も失い、詐欺すれすれの放浪者になっていた。ところが故国の政変に巻き込まれ……。疾風怒濤の中華ファンタジー開幕!
天下四国(てんげしこく)――この世は、峻厳たる山々に囲まれた四つの国に分かれている。南の王国「徐」の王太子・寿白は、革命の混乱のさなかに天令から王の証「王玉」を授かったが、徐国は倒れ、国名も「庚」と改められてしまう。
それから十年。かつて輝くほど聡明な少年王だった男は、飛牙と名乗るすれっからしに成り果てていた。天令の那兪は、飛牙の胸に眠る王玉を天へ返すよう迫るが、故国の荒廃に王の自覚を取り戻しつつある飛牙にいつしか寄り添っていく……。
異邦の使者 南天の神々
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2024/09/27 07:25
四国を巡り各王家を救う
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
駕国。
王家の人は数少なく、長く宰相が国の実権を握る。
そこには大きな秘密があった。
薄々宰相には何かあると感じながら入国する飛牙と裏雲。
羽付き二人を救いたい飛牙。
殿下を何としてでも守りたい裏雲。
入れ違いに捕まったり逃れたり…ではらはらする。
そうこうするうちに、駕国初代の天下四国を巻き込む陰謀に気づく。
飛牙はこれを止めるため、干渉になるとわかりながらも那兪を天に向かわせる。
なんとか何を逃れ、駕国の若い王夫妻も救われる。
飛牙の願いである、二人の羽付きが救われるのかはわからないが、猶予は得られた模様。
天下四国の各国で王家を巡る陰謀などに巻き込まれるも、周囲の助けと勇気、行動力で乗り越える。
助けが得られるのも苦しむ人を助け、信用することができるからなんだろうと思う。
生きるために何でもやったと言いつつ、人を救うことを諦めきれないお人好しなんだろう。
それが飛牙の魅力であり、羽付き二人も惹かれてとことんつきあうことになったのだなあと思う。
面白いシリーズだった。
2022/02/10 11:14
最強の人たらしが天下四国を救う
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みやび - この投稿者のレビュー一覧を見る
天下四国の南に位置する徐の元王様にして現王兄、西の隣国・燕の王女の元種馬(!)にして夫という肩書きを持つ、放浪者にして最強の人たらし、寿白改め飛牙。謎に包まれた北の国・駕を目指す道中で、東の国・越を訪れました。
越は14年に一度災禍に襲われます。屍蛾という巨大な毒蛾が大発生し、国内を渡っていくのです。
前回の襲来から数えてまもなく14年となるこの時、越の王子たちは屍蛾対策を二の次にして、後継者争いにしのぎを削っていました。
他国の王族との関わりを極力避けたい飛牙ですが、巻き込まれ体質がそれを許してくれません。果たして飛牙は、迫り来る大厄災から越を救うことができるのでしょうか。
――天下四国の世直し道中なんてものではなく、英雄譚の様相を呈してきました。
多くの命を救っているのはたしかで、尾鰭もついて英雄に祀りあげられていくのですが、飛牙が成し遂げたいのは世直しでもなんでもありません。
助けたいのはふたりだけ。黒翼仙に身を落とした幼馴染の裏雲と、飛牙を救ったために堕とされた天令・那兪という「厄介な翼持ち」たちです。旅の目的は、その一点のみ。ですが行きがかり上、国ひとつをまるっと救った飛牙は、新たな肩書きと共に旅立ちます。
目指すは、天下四国を掌握せんと陰謀を巡らせる駕。
そして……飛牙を助けるために、またしても天令の力を使ってしまった那兪の運命やいかに。
2024/10/13 11:20
四国外でのはなし
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
山を越えてかつて暮らしていたマニ国から飛牙に助け求めてきた少年。
姉としたう少女が皇太子妃となったが、毒を盛った疑いで拘束されているという。
そこで、さっそく山を越えていく飛牙と裏雲。
いろいろあるが、真相にたどり着く。
関係者がそれぞれ自分の思いを伝えておらず、相手の思いも確認していないことからの行き違いが全ての大本。
それがわかり、疑心暗鬼であったり、無関心であったりの人たちの気持ちが固まっていく。
そこはさすがの飛牙。
紫の蝶。
裏雲のこころを乱す者がまた増えましたな。
今回は謎解きがメインで、あまり活劇的な場面はない。
このまま諸国漫遊水戸黄門みたいなシリーズになるのかな…。