- 出版社: 講談社
電子書籍
ミリア&ユリシリーズ
著者 石崎幸二
20世紀最後の「メフィスト賞」受賞作! 「ミステリィの館」へようこそ。もともと当ホテルは密室で死んだ作家・来木来人(らいきらいと)の館。これから行われるイベントでは、彼が遺したという「お金では買えない究極のトリック」を探っていただきます。まずは趣向をこらした連続殺人劇をどうぞ。そして興奮の推理合戦、メフィスト賞ならではの醍醐味をご堪能下さい。
日曜日の沈黙
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評価内訳
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2002/06/21 21:40
本当に究極
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投稿者:大仏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
メフィスト賞から生まれた、最高のバカミス作家の最新刊である。
今回は、話としては短いがナカナカ読ませてくれる。
今作では、さらに自己チュー女子高生コンビが、パワーアップしていると思う。
しかしながら今作でも、著者が、今までの名作と呼ばれている推理小説に対する尊敬の念が、随所に感じられる。
真摯にミステリー小説に向き合っているのだと思う。
そして、究極の密室本とは何か? それは買った人のみがわかるのである。
紙の本第四の男
2012/01/25 14:16
誘拐事件の裏の裏
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
友達がいないうえに、女子高生にもからかいの対象にしかならない。運のない男の代名詞のようなサラリーマン探偵・石崎幸二が今回巻き込まれたのは、女子高生連続誘拐事件だ。
このシリーズの面白さは、スカッと爽快な謎解きではない。あれやこれやなんだかんだと女子高生達が石崎をからかう中から、ヒントがポッと浮かび上がる。我々読者をミスリードさせる手段か、はたまたある意味正攻法なのか。漫才のような、コントのようなやりとりを楽しんでいるうちに、いつの間にか答えへと辿り着くのだ。
ミリアとユリの二人組に対しては……多くは言うまい。同じ学年の部員・仁美に対してのからかいもエスカレートしているし(もはやお色気要員としてしか見ていない)、石崎に関してはついに……いや、これを言ったら読む楽しみ半減か。
哀れな石崎がどのような悲劇(喜劇?)に見舞われているかは、ご自身の目で確かめて欲しい。
前作がかなりおどろおどろしい事件だったからか、比べるとかなりおとなしい印象を受ける。だからといってミステリーとして推理を楽しめないかといえば、全くそんなことはない。
不完全ながらも「島」と「密室」が揃った本作、丁々発止のやりとりに目を奪われていると、足をすくわれる。
紙の本日曜日の沈黙
2002/04/08 14:41
キャラがいい
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投稿者:朱鷺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「犯人は…おまえだあっ! なぜならお前の手元に残ったカードがばばだからだあっ!」 「しかし、ばばぬきで犯人を決めちゃうなんてミステリィおそるべし」。こんなことを語る登場人物が出てくる。ツヤツヤロングヘアの女子高生ふたり組。奇妙奇天烈な奴だ。しかし、それゆえに愛着も持てるのだ。上述のせりふでは一人で爆笑してしまった。
メフィスト賞受賞作。さすがだ。納得がいく。まずキャラの魅力は狙い通りという感じだ。しかし、キャラだけじゃない。この人には間違いなくある種のセンスがあるように思う。これからどんどん研ぎ澄ましていってもらいたい。軽妙な話なので誰でも読めそうな感じだ。シリーズ化しているみたいなので是非続きが読みたい。
2002/06/16 16:42
パロディ密室本
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投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワガママな女子高生コンビ・ミリア&ユリが賑やかに活躍するシリーズの「密室本」バージョン。今回もドタバタと楽しい。
舞台は八丈島にある研究所兼別荘。おどろおどろしい連続殺人事件……は起こらず、密室状態での傷害事件が起こる。被害者はミリアらの友人・仁美の父親。というわけで、相変わらずの自分勝手さ大爆発ながら、ミリア&ユリ+αが迷推理で解決する。
本書には劇中劇ともいえる「玄円館殺人事件」なる小説(密室本)が登場する。解決直前部分しか載っていないのだが、その部分だけを読んでも面白そうである。「ぜひ、完成版を読んでみたい!」と思うのは、きっと、私だけではないだろう。
紙の本長く短い呪文
2001/12/05 14:23
推理とユーモアの分離
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投稿者:ごうた - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理とユーモア。
ユーモア風味、ユーモアタッチという以上に笑いに力を入れているのだが、私はあわない。二人の女子高生登場人物の区別がつかないのは、作者が書き分けられないからだ。推理小説とちがい、笑わすにはまず筆力が必要だろう。そのうえ漫才をつくるのに、推理のトリックを考えるくらいの労力がいるだろう。あえて難しいことをやって報われていない。
でもこれまで三冊とも読んでいる。トリックだけは悪くない。
2002/07/31 00:56
密室本が謎を解くカギに!?
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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
櫻藍女子学院高校ミステリィ研究会のミリアとユリは、特別顧問の石崎を強引に引き連れて八丈島に向かう。
離婚して別に暮らす科学者の父親に、一人で会いに行くのが心細いという友人の仁美から、一緒に来てほしいと頼まれたのだった。
台風で「嵐の山荘」状態になった別荘の「密室」状態の研究室内で、仁美の父親である新堂が襲われ、倒れているのを発見される。
密室はいかにして作られたのか? そして真犯人は???
完璧な密室。意識不明の新堂。地滑りで孤立した別荘。高まる緊張感。
でも・・・とにかく、このシリーズはミリアとユリが石崎をおちょくりまくるというか、なんというか・・・石崎で遊ぶというか・・・。
あいかわらずのテンションで、思わずツッコミたくなるほど古いネタでギャグをかましてくれるし、もう、アンタたちいったい何歳なの? って感じです。
おまけに、袋綴じになった密室本「玄円館殺人事件」が犯人を指摘する手がかりになる、というのですから、ふざけてます。
ええ、ふざけてますよ、あいかわらず。
おふざけがキライな人は、ちょっと引いてしまうかもしれませんが、シリーズが進むに連れて、ミリア、ユリ、石崎のコンビネーションも良くなってきて、私はけっこうこのシリーズが好きかもしれない。
シリーズ1作目の「日曜日の沈黙」を読み出した時には「なんじゃこりゃ・・・」と思った3人の駆け合い漫才(?)も、今ではすっかりなじんじゃいましたしね。
アナタも、案外、ハマるかもしれませんよ。
紙の本日曜日の沈黙
2002/05/17 17:02
大仏
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投稿者:バカミス万歳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近のミステリーは本格本格と、それにはもう食傷気味だ、という人にお勧めの本だ。
キャラもバカ、トリックもバカなら、事件もバカ。もう攻、走、守そろったバカミス三冠王である(もちろんこの場合のバカとは良い意味でのバカであるが)。
しかし、読後には真面目なミステリーを読んだような爽快感が残る。
それを可能としたのは、作者の、今までの名作と呼ばれたミステリー小説を、しっかりと消化し蓄えた賜物だろう。
現在まで、この作者は3冊本を出しているがどれもお勧めである。
そして、この作者には数少ないバカミスの書き手としてがんばってもらいたい。
紙の本長く短い呪文
2001/10/06 00:07
ぶっとんだお嬢様たちの会話をお楽しみください
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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第3弾。
お嬢様学校の櫻藍女子学院高校のミステリィ研究会。1年生メンバーの須藤まみの同級生の岐城美希が、夏休みに「わたしには呪いがかけられています」と手紙を残して、故郷・硫黄島へ帰省。連絡が取れなくなった。補習で身動きの取れないまみに代わり、ミリアとユリ、そしてミステリィ研究会特別顧問のサラリーマンの石崎は、台風接近中の孤島へ渡ることに。はたして、美希にかけられた「呪い」とは何か? 島で何かが起こるのか?
1冊目は女子高生のミリアとユリのぶっとんだ会話についていけず、思わず本を放り投げそうになりながらも、読んだものですが・・・2冊、3冊と読み進むうちに慣れたというか、反対にこのふざけた会話を楽しんでいる自分を発見し、愕然としております。
ミリアとユリにかかると、大化の改新は日本で一番最初の殺人事件、平城宮は日本の館ものの始まり、奈良公園の鹿からは死体移動トリック、奈良の大仏からは日本最初の密室トリック、小野妹子に至っては日本最初の叙述トリック・・・ということになってしまうらしい。
なんじゃそりゃ? と思った方は、ぜひ、本編を読んでみてください。ただし、途中で本を放り投げたくなっても、私は感知いたしません。それにしても・・・こんな「呪い」が本当にあったら・・・イヤだろうなあ・・・。呪うほうにもかなりの根気がいる作業ではありますが。ほらほら、どんな「呪い」か気になってきたでしょう? ふふふ、これもひとつの「呪い」かも・・・ね。
初出うたたね通信社