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好敵手オンリーワン
神社の一人娘、桜月弥生。教会の一人娘、天都水貴。美少女二人と孝一郎は幼なじみだ。仲良く過ごしていた三人だが、孝一郎の一言をきっかけに、テストや体育、ラブレターの数まで、あらゆることで弥生と水貴が勝負するようになる。審判として巻き込まれる孝一郎のさらに余計な一言から、「どちらの家がより資金を増やせるか勝負する」という内容に変わる。しかも賞品は――「孝一郎を一生奴隷にする権利」!?
好敵手オンリーワン1
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紙の本好敵手オンリーワン 2
2015/09/17 15:13
トンビに油揚げとはよく言ったもの
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
横浜の女子高生の双璧と目される、桜月神社の桜月弥生と天都教会の天都水貴を幼なじみに持つ孝一郎は、彼女たちの経営の才能を最も高く評価する人間だ。しかしそれゆえに、彼女たちに比べて自分は凡才だと思い込んでいて、シェフ顔負けの料理の腕前や、ヤクザを沈ませる腕っ節、家の補修も難なくこなす器用さまで持っていても、自虐が絶えない。
ヤクザ問題に絡む弥生の勘当扱いも解け、シスター&巫女カフェの経営も順調に進み、店を任せられる存在を育てて、弥生と水貴は次のビジネスを開拓しようと躍起だ。それもこれも、人材育成までこなす孝一郎を、どちらが自分のものに出来るかが懸かっているから当然だ。しかし孝一郎は、それほど自分がもてている事実にも気づかない。
高校生は将来の進路について考える季節でもある。担任から進路について真面目に考える様に言われた孝一郎は、いつかは自分よりはるかにランクが上の男を娶り、自分から離れていくであろう弥生と水貴から距離をとり、一人で生きていくすべを考えなければならないと思い始める。
同じころ、カフェで料理を指導している弥生の後輩の楓から、孝一郎をべた褒めする言葉を漏れ聞いてしまい、その結果、彼女から告白されることになってしまった。
初めて女の子からもてたと思い込む孝一郎だったが、弥生と水貴の3人でいた期間が長すぎて、他の女の子をどう思うかよく分からない。そこでいつものごとく、弥生と水貴に相談するのだが、当然、彼女たちは激怒したり泣き崩れたりしてしまい…。
ビジネスネタは、明朗会計全国一律お祓いサービスと、牧師派遣自宅結婚式サービスのそれぞれ一つとかなり控えめ。あとはもうすぐ円安になるという予言くらい。全面的にラブコメにシフトしているのだ。
だが、正直言って、これは作者の強みから考えて、隘路にしか思えない。無理筋も良いところで、これを突き抜けるには、今まで作者が示したことがないラブコメセンスを開発しなくてはならないだろう。そして残念なことに、現状までの描写を見る限り、その見込みはかなり薄い気がする。
このため個人的には、これまでの路線に回帰し、そこで第一人者として君臨するのがお薦め。なぜなら普通のラノベ作家には、ビジネス分野にノウハウを持っている人などほとんどいないのだから。ラブコメ路線はニート系に任せておいてください。
紙の本好敵手オンリーワン 1
2015/09/10 16:11
現実は甘いだけじゃない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
孝一郎には二人の幼なじみがいる。一人は桜月神社の桜月弥生。もう一人は天都教会の天都水貴。二人は横浜の女子高生の双璧と目される、才色兼備の持ち主だ。そんな二人は、孝一郎も含め、三人で兄弟姉妹のように仲良く、一緒にご飯を食べたり、遊んだりして暮らしていた。中学時代までは!
高校に入り、孝一郎がポツリともらした一言がきっかけとなり、弥生と水貴の間に抗争が勃発!どちらが優れているかを、勉強やスポーツ、見た目など、あらゆることで競いだした。その審判を務めるのは、いつも孝一郎だ。正直、板挟みになるので気が重い。
昔は仲の良かった二人が対決するのを我慢できなくなった孝一郎は、くだらないことで争うなと、勇気を出して一喝したのだが、それが学校を飛び出した勝負のきっかけになってしまった。どちらの宗教法人が資金力を高められるか勝負することになったのだ。勝利の暁には、孝一郎を一生奴隷としてこき使えるらしい。…本人の承諾もなく。
そうして始まった利益追求の勝負。宗教法人の利点を生かし、才能と若さにものを言わせて次々ビジネスを繰り出していくのだが、社会の荒波の前に、ちょっとばかり痛い目にもあったりする。そしてその勝負の行方には…?
ヤクザのしのぎみたいなビジネスを考えるなあと思って読んでいたら、本当にヤクザが登場しちゃったりするし、カタギだからと言ってヤクザよりも上品とは限らない例を見せつけられたり、社会の現実を突きつけられちゃう感じだ。
そして今回は、いつもの様に女の子の方が才気走っているのだけれど、ピンチになれば男の子の方が活躍するという設定が、いつもとはひと味違う。この辺はラノベ文庫の要請なのかもしれないな。
紙の本好敵手オンリーワン 3
2015/02/03 08:47
譲れない戦いの犠牲
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校三年生の孝一郎は悩んでいた。進路といえば進路だが大学受験のことではない。幼馴染にして横浜の女子高生の双璧と目される、桜月神社の桜月弥生と天都教会の天都水貴の二人が最近ビジネスで張り合っているのは、どちらが孝一郎と将来添い遂げるかを争うためだということを知ってしまったからだ。
しかし、自分が二人から好意を寄せられるほど大したものだとは思えないし、自分の生活がリア充だとは思えない。ネット上の質問掲示板に相談しては妄想乙といわれ、友人や果ては取引相手に相談しては相手に再起不能の傷を与え、ようやく、自分の状況がとてつもなく恵まれたものであることを理解できるようになった。それゆえに、大切な二人が自分のために相争うなど許容できない。
何度となく弥生と水貴をいさめ、仲良くするように訴えるのだが、この勝負に負ければ孝一郎を失うと思いこんでいる二人は必死で、孝一郎の諌める声など聞かず、焦燥に後押しされるように、一発逆転の策に打って出る。
今回のビジネスネタは、弥生が神道式の格安葬儀サービスの開発、水貴が負債を抱えた優良専門学校法人の買収だ。その結末は読んでいただければ良いのだが、たった一人の男を賭けて二人の美少女が坂道を転げ落ちていく様な展開はドキドキもの。
しかし作者のシリーズで、女の子が素直に助けを求めるなんて、とてつもなくレアな展開じゃないか?
紙の本好敵手オンリーワン 4
2015/02/03 08:45
覚醒
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜月神社の桜月弥生が始めた神道式の格安葬儀サービスと、天都教会の天都水貴が始めた専門学校法人の理事長就任は、暗礁に乗り上げた。前者は既存の葬儀事業を手がける宗教団体から猛反発を受け、後者は改革に反対する教職員が組合を結成したのだ。彼女たちのモチベーションの根底にある高校三年生の孝一郎は、彼女たちを助けるために出来ることをしようと決意する。しかし、それは中々の難事でもあった。
宗教団体は葬儀事業中止に追い込むために右翼団体を雇い、神社前で街宣活動を繰り広げる。教職員組合は未来を指向することもなしに賃上げ要求を繰り返す。警察に相談してもけんもほろろだし、手ひどい失敗で弥生や水貴の精神もダメージを受けている。そしてその余波は、巫女&シスターカフェにも波及し、営業が出来ない状態に追い込まれていた。
これまではヒロインのサポート役に徹していたコーイチローが、自分の仕事として敗戦処理を行ったり、新規事業を立ち上げようとしたりする。
主人公はヒロインや周囲の女の子にモテモテで、自己評価は低いが周囲の評価は高い。本当に、作者の他の作品とは全く毛色が違う。ヒロインたちの事業が結局赤字になってしまうところも異色だ。読者のターゲット設定がまるで違うのであろう。結局、女の子は格好良い男の子に守られると言うことなの?
紙の本好敵手オンリーワン 5
2015/02/03 08:43
3人の結婚式!
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでは桜月神社の桜月弥生や天都教会の天都水貴に振り回されてきた孝一郎が、自分でリスクを取って会社を立ち上げることを決意した。担任教師からは普通に大学に進学して普通に就職することを薦められるが、今だというチャンスを逃したくはない。
そうして立ち上げた未来日本不動産株式会社のジョイントプレイス事業は、テナントオーナーと新規事業者をつなぎ、事業の売上に応じた賃料が発生するというビジネスモデルだ。
葬儀事業の際に買い取っていた広告枠を使い、大規模な宣伝をかけるが、問い合わせはほとんどない。たまにあったとしても、コーイチローの年齢が18歳だと知ると、怒って電話を切ってしまう。
そんなとき、一本の電話が全てを買える。ビジネス雑誌の編集者の取材を受け、未来日本不動産がトップで取り上げられることになったのだ。問い合わせは増え、とある賞を受賞し、地方行政や中央官庁からも提携の話が舞い込んでくることになる。
一方、プライベートでは、コーイチローは桜月弥生と天都水貴から、同時にプロポーズを受けていた。どちらかを選んで欲しいと言うことではない。3人一緒に結婚式を挙げたいというのだ。突拍子もない話に戸惑うコーイチローだったが…。
シリーズ完結編。新規事業立ち上げのモデルケースを例示したシリーズだったらしい。今回の裏主人公は友人である勝也だろう。現実をようやく知ることになった勝也は、コーイチローから刺激を受け、真剣に人生を行き始めるようになる。