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「勤労青年」の教養文化史
著者 福間良明
かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた.大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し,人格を磨かなければならない」と考えていた.そんな価値観が,なぜ広く共有されえたのか.いつ,なぜ消失したのか.地域差やメディアも視野に入れ,複雑な力学を解明する.
「勤労青年」の教養文化史
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紙の本「勤労青年」の教養文化史
2020/06/09 20:38
戦後日本の復興を支えた勤労青年の「真面目さ」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
教養主義の変遷を論じた本は多いが勤労青年、農村青年に焦点を当てた類書はあまり無いと思う。著者はよく史料を博捜し、論述展開も精緻で実に労作と思う。惜しむらくは歴史的祖述が中心で、何故勤労青年がこれほど真面目に「教養」を追い求めたのか、の社会思想的な観点からの掘り下げが物足りない。戦後日本の復興はこうした勤労青年の真面目さが支えた。何故日本人はここまで向学心に燃えたのか、その倫理的背骨は何なのか、そしてその真面目さは今も青年に受け継がれてるのか、そうしたもう一押しの考察が欲しい。