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半分生きて、半分死んでいる
著者 養老孟司
ある大学で「養老さんじゃないですか、もう死んだと思ってました」と話しかけられた著者。「要するにすでに死亡済み。そう思えば気楽なもの」と嘯き、超越した視点で「意識」が支配する現代社会の諸相を見つめる。人工知能が台頭する時代に「コンピュータは吹けば飛ぶようなもの」と語り、平成においては「万物が煮詰まった」と述べ、人口や実体経済の限界が見えた時代の生き方を考える。現代の問題は「一般論としての人生と、個々の人生の乖離」と述べ、一般化からこぼれ落ちた個々の生へ眼差しを向ける。真理は0と1の間に落ちる。宙ぶらりんの立場で、現代人の盲点を淡々と衝く一冊。 【目次より】●人文学で何を教えるか ●禁煙主義者として ●永遠の杜 ●人工知能の時代に考える ●虫と核弾頭 ●人口が減る社会 ●状況依存 ●米軍の「誤爆」 ●意識をもつことの前提 ●老人が暮らしにくい世の中 ●地味な仕事への対価 ●「平成」を振り返る
半分生きて、半分死んでいる
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2020/09/27 22:30
はっきりとしたメッセージです。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
『頭の中はすぐ煮詰まる。意識は煮詰まるものなのである』
その通りですね。煮詰まると碌なことにはなりませんよね。煮詰まらないようにするためにどうしたらいいのか。あらかじめ、結論を決めて議論すべきではない。科学の目を重視し、データを正確に捉え、議論を重ねていくべきである。
『日本社会で自己責任という言葉は有効ではない。それは選択がないからである。問題は選択ではなく、状況なんだから』
これもやっぱり、追い込まれるまでによく議論して決めろってことです。最善の道を見つけるために、小さな兆候も見逃さない。想像力を働かせる。
日本国の未来に不安を感じている人達に、はっきりとしたメッセージです。