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地頭力を鍛える
著者 細谷功
「地頭力」ブームを巻き起こしたベストセラーが待望の電子書籍化!!
「日本全国に電柱は何本あるか?」といった例題やその解答例から「フェルミ推定」のプロセスを紹介しつつ、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という地頭力のベースとそれらのベースの上に重なる仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力の3つの構成要素とその鍛え方を解説。
「問題解決」を必要とする業務に携わるビジネスパーソンはもちろんのこと、本当の意味での創造的な「考える力」を身につけたいすべての人に贈る、知的能力トレーニングブック。
地頭力を鍛える
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地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
2008/03/27 20:15
「知っていること」と「知るために考えること」には大きな違いがありそうです/ビジネスの教科(強化)書
15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:macc - この投稿者のレビュー一覧を見る
基礎的な記憶を含めた知識は必要である。中学校、できれば高校2年生レベルの知識の蓄えは必要である。言わずもがなの前提となる。分散された、尻切れトンボの知識やデータを修正加工したり繋ぎ合わせたりすることで、使えるレベルのデータや分析が可能になるということ。このような工夫ができることを、ここでは「地頭力を鍛える」としている。
経験や知識は時間の経過とともに陳腐で形骸化したものになる。考える力と言い換えることもできるが、本書では関係各方面で激変が見られる昨今、必要不可欠な考える力でも「地頭(力)」とは『鍛えられた』考える(力)という印象が植え付けられた。経験のある方も多いと思うが、プレゼンテーションを客先で行い、質疑で説明以外の分析や説明を求められ、ひとつの答え方とは思うが「持ち帰って、お答えします。」と言った場面である。そこで、既成の情報を利用して大まかであっても現象の概念・数字が述べられたり分析の方法が言えたりすれば、詳細を後ほどの連絡するにしろ、聞き手のプレゼンテーション全体に対する印象が可也違うと思う。少なくとも、色々な場面で幾つかの適切な考え方ができ、少しは頼れると言う印象になるでしょう。地頭の概念と鍛える方法の説明書である。
経験や膨大な情報から、取捨選択し付加価値をもった情報を分析し、他者に伝達する。進歩した状態で進めるわけである。これには創造的な考える力が必要で、この機軸となる知的能力を「地頭力」としている。コンサルティングの世界ではよく使われる言葉であるが、普通言われる「頭がいい」とは少し違う。物知り・機転が利く・気が回ると言うのではなく、問題を考えて解くタイプである。未知の領域で考えることができる力となる。裏を返せば、落ち着きのないエキセントリックな印象の説明があったとするならば、それは聞き手が説明された内容をなかなか想像できない状況で、問題が解かれておらず、考え方・考える力が地頭力と呼べるまでになっていないと言うことになる。「地頭力」は考える力なので、形骸化・陳腐化しないわけである。
鍛えるための道具が紹介されている。「フェルミ推定」である。ノーベル賞受賞した物理学者、エンリコ・フェルミが大学の授業で荒唐無稽と思える課題を短時間に概数計算するという問題を学生に与えたことに由来する。「世界中のサッカーボールの数は?」「日本全国の電柱は何本あるか?」などが例として上げられ、アプローチの設定→モデル分解→計算実行→現実性の検証の手順で、「最初は見当もつかない」課題が、解きほぐされた感じがする。精度が高く、「地頭力」が鍛えられる。
ここで、もうひとつの前提として、問題解決には「知的好奇心」が基本としている。これは、当事者の意識、気持ちの話である。意思がなければ、何も変化しないので、当然と言えば当然である。「考える力」であるが、「論理思考力」と「直観力」の組み合わせがある。
1.「結論から考える」仮説思考力
どんなに少なくても、今ある情報だけで可能性の高い仮説(結論)をもって、常に強い意識で仮説を最終目的地とし、情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ最終結論を得るような思考方法である。情報が少なすぎるという反論が多々生じるが、これは「完璧主義」による弊害に他ならず、未知との遭遇は不可能である。著者もこのような境遇を経験していることが見て取れる。
2.「全体から考える」フレームワーク思考力
「全体俯瞰力」即ち、課題の全体像を高所から俯瞰し、捉えた全体像を適切に切り分け、断面を解析する思考である。人によって思考方法には癖があり、以前の経験などが邪魔をして、ゼロベースで思考しにくい。これを解消するのがフレームワーク思考の要点である。より高所からものを見て、全体像を捉え数学の因数分解のように状況を分解し、分解されたものを考えやすくする。
3.「単純に考える」抽象化思考力
課題の最大の特徴を抽出し、「単純化」「モデル化」したもので、抽象レベルから一般解をもとめ、それを具体化していく思考法である。取り扱いが簡単な形態に置き換えていくのである。
最近では、「論理思考:ロジカルシンキング」が「考え方」とイコールのような流行が見受けられるが、創造的発想には倫理だけでは不十分で、「倫理思考力」+「知的好奇心」+「直観力」でなくてはならない。「地頭力」を動かすには「知的好奇心」が原動力として必要で、俗人的ではあるが鍛えることが可能な「直観力」で、センス良く纏め上げる力のことである。「何を」知っているかではなく、「なぜそうなるの」と好奇心を以って考えることにほかならない。コンサルタントの業務は、まず浅く広く全体を眺める必要がある。ものの流通と同じで、(頭の中で)思考に、現象と結果・作業の手順・時間経過が、全て含まれてなければならない。専門外・門外漢と割り切ればそこで思考の流れはなくなる。より高いパフォーマンスを望まれるご同系の皆様にはご一読願いたい書であります。
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
2008/08/02 21:58
地頭力ってなんだ?!
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白薔薇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
考えるために基本となる力 それが地頭力。
その本質は、「結論から」「全体から」「単純に」の三つである。そしてそれらは、論理思考力、直観力、知的好奇心から構成される。
地頭力がある人のメリットは何かというと、物事を圧倒的に効率的に進めることができる。また、インターネットでいくらでも情報が仕入れられるこの時代において求められるのは、多くの知識を持っている人ではなく、新しい知識をどんどんと生み出していく人である。つまり、地頭力を持った人なのである。
一度、この本を読んでみてほしい。すると、今までの自分の考え方が180度変わるだろう。
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
2010/08/03 17:10
考え方を教えくれる本です。
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たきべのまお - この投稿者のレビュー一覧を見る
地頭力という言葉では、単純すぎて興味がわきませんでしたが、以前読んだフェルミ推定の本で、この本が紹介され「何度も線を引いて読んだ」とあり、そんなにいい本ならと、図書館で借りて読みました。
読んでみると、頭の良さというのはどういうことなのか、ということに造詣が深く、分類された定義が解かりやすく、図も交えて紹介されています。この本を読んで、日々無駄の多いことを考え、悩んでいるのだと良くわかりました。
変化の激しい時代に、この本に出合えて良かったと思います。
70年代の高度成長期に「〇〇の発想法」という発想法の本がよく売れていました。当時の知識の組み合わせからの発想法とは違い、ネット検索時代の便利な時代の、これからの思考方法をこの本は、細かく丁寧に教えてくれます。
確かに何度も読んで線を引きたくなる本です。今度は、買って読もうと思っています。