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本質思考
著者 平井孝志
現象に惑わされず、「その裏側で何が起こっているのか」「どうしてそうなるのか」というふうに、ものごとの本質に目を向けなければ、情報が溢れる今の世の中、情報に流され、現象の裏返しみたいなスジの悪い答えにしか行きつけない。
理系大学の最高峰、MIT(マサチューセッツ工科大学)でシステムダイナミクスを学んだ戦略コンサルタントが、その教えを下敷きに、ビジネスで真にインパクトがある解を導き出す思考法「本質思考」を解説する。
本質思考
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2019/04/06 17:41
本質思考は「真因」をつかむこと
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
〇 本質思考を妨げる9つの癖
・裏返しの結論
現象の裏にある本質に蓋をしている
・一般解で満足する
思考停止してしまい、前に進めない
・フレームワークへの依存
情報を整理しただけで、満足する
・カテゴリー適応
「なぜ?」に直接答えていない
・キーワードで思考停止
なんだか分かったような気になるだけ
・初期仮説に固執
仮説思考に慣れてきた人が陥る落とし穴
・考えている目的を失う
作業が目的化する
・プロセス偏重
「考えている」ということとの勘違い
・主体性の喪失
他人の考えに頼ってしまう
〇 モデルとダイナミズム
本質=構造(モデル)×因果(ダイナミズム)
・モデル
その現象を生み出す構造、構成要素や、それらの相互関係性
・ダイナミズム
モデルが生み出す現象によって長い目で見ると、どのような結果や行動があるか
本質に目を向けると、論理的思考や仮説思考の威力が増す。
ステップ1 モデルを描く
モデルの要素や因果のイメージを「見える化」する。
ビジュアルに表現することで、考えを深化させる。
・5つの構成要素
インプット元・アウトプット先・競争関係・協調関係・影響者
・階層構造を考える。
・因果に注目し、相関は無視する。
考えたモデルが本質に迫っているかどうかの確認方法
・視点を変えて考え直して見る。
・他人に見せて、議論する。
・自分が考えたことが、面白いかどうか。
(モデルが本質に近いほど、その内容は面白いはず)
ステップ2 ダイナミズムを読み解く
絵的に発想したモデルが、どんな因果関係によってどんなダイナミズムを生んでいくかを考える。
このダイナミズムが理解できれば、本質的な解決策を考えることができる。
考えるポイント
・ストックかフローの状態か?
・比例関係が成り立たない非線形で考える
・作用と反作用を考える
・各々の視点で、何手か先まで想像する
読み解き方
・変局点を考える(潮目を読む)
・相転移を考える(非連続に形を変える)
・根源的ドライバーの特定(レイヤーを掘り下げる)
検証
・因果の終着点まで辿って見る
・ストーリーが語れるか
ステップ3 モデルを変える打ち手を探る
真の問題解決は、モデルを変えること。
現象を変えてもモデルが同じならば、元に戻ってしまう。
レバレッジポイントを見つける
・前提条件を疑う(そもそも・・・)
・因果は、時間的空間的に近接しているとは限らない
・影響のある範囲まで考えを広げる
・視座を変え、目の前の問題から離れてみる
・「どうやって考えるか」を考える
ステップ4 行動し現実からのFBを得る
根本的解決は、ステップ1~3を繰り返し、思考実験を行っていく。
知的忍耐力が必要。
成長の機会は、失敗や成功体験からの学びである。
〇本質思考を鍛えるトレーニング
・新聞や雑誌の記事タイトルから連想する
・思考の雛形(パターン)を増やす努力をする
・思考の「見える化」を行う
・自論を他人にぶつけてみる
・歴史観を持つ(歴史から学び、考える)
・答えのない問題に取り組む(難題にチャレンジする)