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日本企業の勝算
著者 デービッド・アトキンソン
伝説のアナリスト×世界のエコノミスト174人、渾身の提言!
日本企業の「根本問題」を突き止め、人口減少時代の「最強経営」を明らかにする。
■本書の主な内容■
実力はあるのに「結果」が出せない日本企業
「沈みゆく先進国」の企業には共通の課題がある
日本企業の生産性が低いのは、規模が小さすぎるからだ
「中小企業を守る政策」が日本企業の首を絞めている
「低すぎる最低賃金」が企業の競争を歪めている
日本の「経営者の質」が低いのは制度の弊害だ
人口減少で「企業の優遇政策」は激変する
人口減少時代の日本企業の勝算
■著者のメッセージ■
今の日本企業は、人口が増加していた時代にできた制度に過剰適応しています。人口減少時代に変わった以上、根本から変革するしか選択肢はありません。
これからの日本企業が進むべき道を見極めるには、冷静な分析が不可欠です。本書の最大の目的は、日本企業のあるべき姿を見極め、日本経済の新しい時代をつくることに役立つ提言を行うことです。これは私のこの国に対する恩返しでもあるのです。
日本企業の勝算
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日本企業の勝算 人材確保×生産性×企業成長
2020/05/09 14:10
いつもながら明確な論旨
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:2502 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著「日本人の勝算」から更にバージョンアップして、日本という国の置かれた今の状況、その中での日本企業全般に係る課題と今後の可能性をクリアに描き出した名著。エピソードベースの印象論でなく、エビデンスとなり得るデータだけを丁寧に積み上げて論旨を展開していく著者の姿勢には、いつも感銘を受けます。例をひとつ挙げるとすれば、真骨頂は本著236ページ。「日本は労働市場の流動性が低いとよく言われますが、それを明確に示すデータは見つかっていません。」とのこと。日ごろ日本のメディアなどで目にする一般論(日本の労働市場の流動性は低い)も、鵜呑みにするのではなく、かと言って感覚的に否定・肯定するのでもなく、裏付けが得られなかったことは、それとして保留するという一貫した姿勢は見事です。
本書で「monopsony」という言葉を初めて知りました。今の日本にとっては非常に重要な概念だと思います。甚だ蛇足ながら、そのままの外来語として使うのではなく、明治時代の福沢諭吉みたいに、著者が適切な日本語訳を提案して今の日本の世の中に広めてくれないかな、と思いました。