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電子書籍
お世話します【未亡人母娘と僕】
著者 美原春人
(こんなに熱くて太い×××、入るのかしら……)千登世が唯一知っている亡夫のそれとは違う大きさ。35歳は頬を朱に染めて肉茎を優しく受け入れる。親戚の少年を世話するはずが、欲情を抑えきれず、昼は裸エプロンで挑発し、夜は裸で添い寝……自分の淫らさを恥じながら、疼く身体は暴走し……
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紙の本お世話します〈未亡人母娘と僕〉
2017/03/08 23:36
官能場面の描写と構成に工夫がほしいデビュー作
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
第17回フランス書院文庫官能大賞新人賞受賞ということで、公式サイトのブログにインタビューが掲載されるほど異例の期待感で迎えられた作品と言える。
浪人中で18歳の主人公に対してヒロインは親戚にあたる未亡人で35歳の【千登世】と中学3年生で15歳と思しき【友里香】の母娘2人。主人公の怪我を機に本家から知登世がタイトルのごとく日常のお世話をするためにやって来るのが話の始まりである。
〈第一章・第二章〉
お世話するのが日常の部分に留まらないことは言わずもがなで、以前より主人公へ恋情を傾けていた知登世の接し方は極めて甘いもの。憧憬の念を抱く主人公もまた喜びから早々に相思相愛となる。知登世が主人公に恋した理由がここでは明かされずに読み手が若干置いてけぼりにもなるが、双方が恥じらいながらも年の差を感じさせずにイチャつく激甘振りはこそばゆいほど。夕食から風呂場での戯れを経て寝室で1戦交えた後、果てた主人公のムスコをここでも「お世話する」知登世によって回復した主人公が2戦目に挑むという官能描写が連続的にずっと続いている。
〈第三章・第四章〉
この辺りから雲行きがちょっと怪しくなる。と言うか、雲行きが変わらないことに読み手が「?」を覚え始める。知登世のお世話生活が続けて描かれるが、これが大袈裟に言えば先の2章を繰り返している印象。裸エプロンだったり撮影会が行われたりといった変化はあるものの、夕食から風呂場を経て寝室へという一連の流れが同じなため、その変化が浮き立っていない。デコレーションの一部が変わったものの基本的には甘い甘いクリームたっぷりなケーキの2個目を味わっているような感覚に陥る。つまり、同じ味に飽き始め、そのくどさと量でお腹いっぱいである。後にショッピングへ出かけるといった日常の変化があったので、これを官能面で活用できていたらと感じた。2個目のケーキは別の味で食べたいものである。ただし、ここで知登世の主人公に恋する理由が判明したのは良かった部分である。
〈第五章〉
友里香の登場と知登世の一時的退場によってテイストが変わるかと思ったら、まさかの夕食~風呂場~寝室の3周目に突入で少々ゲンナリ。お世話のバトンタッチをしたのだから当然とも言えるが、先程のケーキが苺から木苺に変わっただけで3個目かと思うとさすがにもう食べたくなくなる。ただ、その若さから中出しを躊躇う主人公に友里香がお尻という代替案を申し出るのは(その若さで突飛とは思いながら)官能面で変化が見られた部分だった。
〈第六章〉
本家から戻って来た知登世と友里香が程良く対抗心を見せながらも甘過ぎるほど甘い結末を迎える。しばらく振りの再会で我慢の利かない知登世が見せた可愛らしくも淫らな積極さがイイ味を出しており、最後の纏まりは良かった。
旺盛な恋心を前面に出して激甘に徹しつつ官能描写で埋め尽くすかの筆致は良いものの、その表現においては直球勝負一辺倒な印象なので、今後の変化球の習得やメリハリのバランス次第では化ける可能性も充分に感じられる。今回はデビュー作なので、その期待を抱かせるだけでも及第点と言えよう。