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刑事〈ショーン・ダフィ〉
武装勢力が入り乱れ、混迷を極める80年代の北アイルランド。殺人現場に遺されたオペラの楽譜は犯人から警察への挑戦状なのか?
コールド・コールド・グラウンド
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2020/04/29 18:34
80年代、北アイルランド
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハードボイルド系刑事もの。
のちのち島田荘司の影響を受けるというのが納得の、本格志向がほの見える感じが面白い。しかし本書では80年代北アイルランドの混乱と、カソリックであるショーンの微妙な立ち位置(北アイルランドはプロテスタントが主流)がメイン。
多くの警察小説・私立探偵ものの主人公のように、ショーン・ダフィは若干ひねくれもので、女性に惚れっぽくて、手の引きどきを知らないという愛すべき男。彼がどうなるのか知りたい、と思わせなければシリーズは成立しないので、続きを読みたくなるラストになっている。
いちばんの読みどころはやはり、北アイルランド紛争ただなかにいるという視点。
チャールズ皇太子とダイアナとの結婚式が間もなくという設定で、自分が子供の頃とはいえ、北アイルランドがこんなになっているというニュースは聞いたことがなかった。IRAのことを知ったのって『ツーリング・エクスプレス』と『パトリオット・ゲーム』だったんじゃないかと思い返す。
方言なのか、返事が「あい」となっているのがすごく気になる・・・(ショーンが上司に話すときには「はい」となっているので、近い関係性で使われるんだろう)。
ロックを愛するショーンの好みもニヤリ。家にいるときはラモーンズのTシャツとか着ちゃうんだもん。
2019/04/14 20:04
常に厳戒態勢
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズは警察小説だが、事件の周囲を彩るのは酒、破壊、罵詈雑言。社会情勢が不安定だった来たアイルランドでは、警察の足場はボロボロでいつ命を落としてもおかしくはなかった。しかし、こんなハードな舞台なのに全体を通してみると、私にはなぜかコミカルさを感じる。元の文章がいいのか翻訳を頑張っているのかはわからないが、物語が重くなりすぎないようにダフィの独白がなされているのだ。次回はまさかの密室殺人、暴動は収束しないなか、いったいどんな話になるのか楽しみです。
2018/09/30 17:40
引き裂かれた国
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
北アイルランド紛争を題材にした刑事モノ。同性愛者の連続殺人事件を調べている間も、火炎瓶やドラム缶爆弾がさく裂し、マシンガンで狙撃される刑事たち。誰かが殉職するという展開はありませんが、捜査に嫌でも緊迫感が出ます。でも警察署に戻るたびに酒を飲んでいるところは、まさにアイルランド人という感じ。事件の真相を暴くまでの過程は、おおざっぱな気がしますが、犯人の秘密は意外でした。