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わたしを離さないで

著者 カズオ・イシグロ , 土屋 政雄

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

わたしを離さないで

税込 1,078 9pt

わたしを離さないで

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みんなのレビュー63件

みんなの評価4.1

評価内訳

わたしを離さないで

2008/10/22 03:33

へこたれていたあの時にこそ

62人中、59人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田川ミメイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 2006年に出版されたとき、大きな話題を呼んだこの本。そのほとんどが賛辞だったけれど、書評やネットで物語の概要を知るにつれ、あたしはなんだかすっかり怖じ気づいてしまった。ちょうど心身共にへこたれていた頃で、こういう重い内容の本はもっと元気な時に読むべきだろう、と、勝手に決めつけ、それでもこの著者には何かしら惹かれるものがあったので、先に「女たちの遠い夏」を読んでみたりした(この作品もとてもよかった)。が、この夏「わたしを離さないで」が文庫化されたと知り、それを機にようやくこの本を読んだのだった。

 物語は、キャシーという31歳の「介護人」の回想から始まっていく。子ども時代を過ごした「へールシャム」での思い出。そう、この小説のほとんどは、イギリスのヘールシャムの私立学校時代のことに費やされており、キャシー、ルース、トミーという、二人の少女と一人の少年の共に過ごした日々がゆっくりと丁寧に描かれている。

 ごく親しい友人でありながら(だからこそ)、つまらない言い争いをしてみたり、それを修復しようとして相手の機嫌をとったり、自分だけはあなたの味方だということを誇示してみたり。他の人には言えない悩みをひそかに打ち明けたり、胸の中にしまっていた不安をぶちまけてみたり。三人の関係も交わされる感情も、誰にも覚えがあるようなもので、特別驚くようなものではない。小さなエピソードを積み重ねるようにして語られるその部分だけとってみれば、青春小説にも思えるし、宿舎付きの学校という閉鎖的な世界の中で繰り広げられる学園小説のようでもある。

 が、もちろん、それが全てではない。
 冒頭の語りの中に出てくる、「介護人」や「提供者」という言葉。それを読んだときに感じた違和感や疑問に対する答えを、語り手であるキャシーはなかなか明かそうとしない。そのせいで読んでいる間中、隠されている何かの存在を強く感じる。キャシー達の子どもらしい姿に懐かしい痛みを感じ、共感すればするほど、そこに忍びよる大きな影を気にせずにはいられない。

 その影が正体を露わにするのは、物語も終盤になってからだ。とは言え、その遙か前からおおよその察しはついてしまう。彼女たちが生まれながらに背負っているその影は、現実的に考えれば「そんなことがあって良いのか」と憤りを覚えるようなもので、普通なら自暴自棄になってもおかしくない。それなのに当の子どもたちは、意外にもすんなりとその運命を受け入れてしまっている。不思議なのは、読み手であるこちらも、たしかにそういうものかもしれない、と思ってしまうことだ。

 人は親や環境を選んで生まれてくるわけではない。極端なことをいえば、森の中に放りだされた少女が狼を親として育つこともあるように、子どもというのは、生まれたときに置かれた環境を受け入れて育っていく。そこが閉ざされた世界の中であるならよけいに、そこでの常識に従うしかない。自分の身を守るためにも。

「へールシャム」の「先生」達は、ここが特別な「閉ざされた世界」であること、「外の世界」はこことは少し違うということを、少しずつ、それとなく子ども達に伝えていく。さりげなく行なわれるその「教育」のおかげで、生徒達はいつのまにか自分が特異な存在であることを自覚するようになる。まるで知らない単語をひとつ覚えるのと同じように、自然に受け入れていく。小説には、その部分が緻密に根気よく描かれている。そのせいで、当然感じるはずの憤りがうやむやになってく。子ども達と共に馴され、憤るよりもその先に待つものばかりが気になって、やがては、彼女達の人生を「見届けたい」とさえ思うようになる。

 もしかしたら、これは実話を元に書かれた小説なのだろうか。読みながら何度かそう思った。そんな訳はないし、そんなことがあってはならないと思うのだが、でもここに描かれているのは、今の時代、そしてこれから先、きっと人類が直面するであろう問題でもある。が、著者はそんな警告ばかりを訴えているわけではない。この本は、ある定めの元に生まれた子どもたちの人生を、キャシーという女性の目を通して描いた静かな小説である。何を思い、何を感じとるかは、ひとえに読み手に委ねられている。

 生まれたときから、最終地点を決められている人生。だからといってキャシーは、全てを諦めて放りだしたりはしない。どんな人生であっても、そこには友がいて愛があり歓びもある。自分なりの自分らしい人生を生きていける。読み終えたとき、胸の中に浮かんでいたのは、背筋をまっすぐに伸ばして歩いていくキャシーの後ろ姿だった。この小説を、元気な時じゃないと読めそうにない、と、脇にどけてしまったことを残念に思う。へこたれていたあの時にこそ、静かで強いキャシーに出会うべきだったのかもしれない。



OfficialWebsite mi:media
http://mimei.info/

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わたしを離さないで

2010/09/12 12:40

もう一つの「アルジャーノンに花束を」

20人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「朝日新聞」8月12日読書面“ゼロ年代の50冊 2000-2009”で取り上げられているので、書評を書いてみます。

 1990年代末のイギリス。31歳の女性キャシーが、ヘールシャムという施設で学んでいた頃のことを回想して語り始める・・・。この小説の粗筋で紹介出来るのはここまででしょう。この本を存分に堪能するためには、これ以上予備知識は持たない方がいい――ということで、物語に触れられない分、他の観点からこの書を紹介してみます。
 主人公を取り巻く<謎>に関しては、回想が進んでいくうちにおいおい明らかになっていきますが、別にミステリではないので、<謎>がこの小説の核になっているわけではありません。ではこの小説世界を成立させている根幹は何かというと、それは、生きること、とりわけ青春期の輝きと美しさと儚さと哀しさだと思います。話の内容は全く違いますが、『アルジャーノンに花束を』の感触に近いところがあって、読み進めていくうちに、キャシーやトミー、ルースの人生がたまらなく切なく感じられてきます。
 また、『日の名残り』で見せたあの小説技術の上手さは、一層磨き上げられています。回想も、時折時間を前後させていて、読み手をぐんぐん物語世界に引っ張っていく筆力は大したものです。私は後に原書でも読んでみましたが、息の長い、非常に精緻に組み立てられた文体は、それ自体が読者を捉えて離さない力と魅力を有しています。
 小説好きな人と存分に読後感を語り合いたくなる、そんな秀作。

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わたしを離さないで

2015/02/01 16:46

あとを引く読後感

16人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶろっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この『わたしを離さないで』という本は、キャシーという名の女性がヘールシャムという寄宿制の学校で暮らした子供時代を振り返るところから始まる。
一見どこにでもあるようなありふれた子供時代。癇癪持ちの友人、楽しみだった図画工作、隠れて好きな歌を聴いたあのとき。思春期のぎこちない恋。そして、思い出の品を探す旅。セピア色で彩られた彼女の思い出は、限りなく読者をノスタルジアの世界へと誘う。
しかし、これはただ淡々とキャシーの子供時代を綴っていく物語ではない。次第に明らかになる彼女らの運命。読み始めたときには想像だにしなかったその結末に、読者は驚くことになるだろう。何を隠そう、私自身もこの本を読み終わってからしばらく何も考えることができなくなってしまった一人だ。
私が今まで読んだ本のなかで最も心揺さぶられた一冊。

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