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11件
戦闘妖精・雪風
著者 神林長平(著)
ロンバート大佐を介在させたジャムは、対人類戦に勝利し、地球侵入を果たした。それがFAF特殊戦の分析だった。機械知性らの次の対ジャム戦略を練るために、クーリィ准将は特殊戦にアグレッサー部隊を新設。雪風は地球連合軍の戦闘機との模擬戦に参加する
インサイト 戦闘妖精・雪風
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グッドラック
2002/10/07 05:42
DVDアニメにもなった「雪風」の続編
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yostos - この投稿者のレビュー一覧を見る
「戦闘妖精・雪風」の続編です。
前作では、戦闘機雪風とパイロットの零のコミュニケーションが大きなテーマとなっていましたが、今回は零が前作の最後で雪風との関係に自信を失っているところから始まり、零は変化し成長し雪風との信頼関係を築いていきます。そこには、以前の自分そっくりなパイロットが登場し、より自身の変化が対比して強調されています。
テーマとなっている「コミュニケーション」についても、雪風を中心とした地球の「戦闘機械」のほかに、今回は異星体もより詳細に描かれており、人類-戦闘機械という関係のほかに、人類の戦闘機械-異星体との関係がクローズアップされ、人類-異星体の関係に、「本当に異星体は人類と戦っているのか、彼らは人類のコンピュータと戦っているのではないのか」という大きな疑問、が投げかけられます。
前作はどちらかというと零と雪風の関係が焦点を当てた静的な物語だったのに対し、今回は、よりこのシリーズの謎の部分に迫って、動的に進行していきますから、前作よりもボリュームはありますが読みやすいかもしれません。
「敵は海賊」シリーズと並んで、神林氏のライフワークとも言える作品ですから、他の作品で彼を気に入られた方は是非!
戦闘妖精・雪風〈改〉
2002/10/06 06:29
旧版の読者にもお勧め
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yostos - この投稿者のレビュー一覧を見る
1984年に刊行された「戦闘妖精・雪風」の改訂版です。
改訂部分は、主にこれから執筆されるであろう続編との整合性をはかるために加筆された程度にとどまるようです。
異星体との戦闘を描きながら戦闘機と人間との関係をテーマとしていた本書を1984年に読んだときは、非常SFとしておもしろいけど一般受けはしないだろうなと思いました。「敵は海賊」シリーズを読んで、同じような作品を期待した読者はちょっとびっくりしました。が、改めて読み返して見るとおもしろい。
一つには、神林氏の他の作品を読むとわかりますが、多くの場合「コミュニケーション」がテーマとなっていることが多いのがわかります。それも、堅固と思っていたコミュニケーションが、実は非常に脆いものだという認識を主人公が持っていくという状況での作品が多いですね。そういう目で雪風と主人公の関係を見ていくと興味深いです。
一つは、当時あまりにまだまだ一般的でなかったコンピュータの普及で、作中の雪風を描いた描写についてより作者の意図が理解しやすくなったと思います。そういう意味では、20年前にこの目線で作品を作れた作者には驚きを感じます。
DVDでアニメ化もされ続編も続くようですから、神林長平のライフワークの一つなるでしょう。旧作を読んだ読者もこれからの続編を読むために再度<改>を読み直しましょう。
アグレッサーズ
2022/06/29 02:02
戦線復帰
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はいどん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンブロークンアローから13年ぶりの続編
前作より空戦の描写が増え、若き深井零を彷彿とさせる新キャラも登場
著者も公言しているように、雪風完結をめざす5巻の前哨戦のような本書
13年の歳月に「撃墜」されてしまったあなたも、手にとって「戦線復帰」してはいかが?