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奴隷契約
著者 大石圭
愛する妻を失った由紀夫は、南の島の豪華なヴィラに夜ごと娼婦を呼び入れてはサド的な欲望を満たす。そんなある日、死んだ母とどことなく似ているマッサージ師と出会った彼は、淫らな「アルバイト」に彼女を誘う。乳首に垂れる熱いロウ、失神するまで打たれる鞭、その傷に塗られるアンモニア水……。あまりの恥辱に耐えかねて女は壊れていく――。打算と欲望がせめぎあう極上のSM小説。
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奴隷契約
2010/10/13 10:33
むしろ、金の暴力性を描いてるようにも感じました
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
妻を亡くした主人公は、南の島で自堕落な生活を送っていた。
ある日、年上の日本人と出会い、彼はある「アルバイト」を彼女にもちかける。
最初から最後まで、SMです。
大石圭の作品は、こういう傾向のものが多いけど、とくにこれは容赦ないので苦手な人は要注意。
人道を外れたといれるような性癖を嫌悪しながらも、欲望を抑えられない主人公。他の作家の方なら、抑えられないことに苦悩するんだろうけど、大石圭なのでそんなことありません。やばいな、とぼんやり思いつつ、自分に正直に彼は生きてるのであった。
そして、「アルバイト」を受け入れる彼女も、お金がほしい、その欲望に正直に生きていて…。
そうやって彼女を凌辱していく様は、むしろ巨大な国や会社が、他国や他の会社を踏みにじって荒らしていく姿に似ていた。
結局、人間のそういう方向への嗜好は、ベクトルが違うと他者への侵略となり、その欲求は心の奥底に多いにしろ微少にしろあるものなのだろう。
…主人公は、なんかしぶとく生きて行くような気がしてます。