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アダルト・エデュケーション
著者 村山由佳 (著)
「ミズキさんとでないと、だめな躯になっちゃうよ」。弟を愛するあまり、その恋人・千砂と体を重ね続けるミズキ。千砂はその愛撫に溺れ――(「最後の一線」)。女子校のクラスメイト、年下の同僚、叔母の夫、姉の……。欲望に忠実だからこそ人生は苦しい。覚悟を決めてこそ恍惚は訪れる。自らの性や性愛に罪悪感を抱く十二人の不埒でセクシャルな物語。
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2015/11/15 23:58
ひんやりとした読後感
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくまりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはないでしょう。いくらなんでもこれはない。あなたが私のかわりにあれを突っ込む相手が、よりによってあの子だなんて・・・(「それでも前に進め」)。彼といるのは幸せだけど、彼にとって、私はどんどん女じゃなくなっていくのかな(「あと少しの忍耐」)。仕事もできて、頭もよく、周囲から信頼されている。そんな大人の女たちの物語で紡ぐ短編集。セックスについても心得ていて、決して男に溺れるような下手を打たない。でも、どうしてだろう。女たちはどうしようもなく、ひとり、なのだ。そしてある日突然、自分の心の中に潜む闇に向き合う時が訪れる。きっと、このレビューを読んだあなたにも、そんな瞬間あったはず。彼女たちの孤独に寄り添えるあなたなら、この短編集の幸福な読者になれるだろう。性の描写が多いけれど、なぜか生臭くならないのは、作者の表現技術の高さによるもの。ひんやりとした読後感が心地よい。