歎異抄をひらく
生き方、人生を見つめ直す時に、手にとりたい日本の名著として、今なお高い人気を誇る『歎異抄』。
その魅力は、「一切の書物を焼失しても『歎異抄』が残れば我慢できる」(哲学者・西田幾多郎)、「『歎異抄』よりも求心的な書物は、おそらく世界にあるまい。文章も日本文として実に名文だ。国宝と言っていい」(小説家・倉田百三)など、知識人たちの心をもとらえて離さない。
『歎異抄』には、多くの謎が秘められている。
「なぜ、善人よりも悪人なのか」
「『念仏さえ称えていたら助かる』は、なぜ間違いなのか」
「葬式や年忌法要は死んだ人のためにならないって、ホントなのか」
「『この世のことすべては、そらごとであり、たわごとであり、まことは一つもない』と、なぜ断言できるのか」
幸せ観、人間観を一変させる、常識破りの発言の数々がそこにある。
本書は、古今の解説書が明らかにできなかった『歎異抄』の真意を、親鸞聖人の言葉を示しながら、解き開いてゆく。
オールカラーの豪華版で、明快な現代語訳と解説、読みやすい大きな活字の原文を掲載。
生涯の宝としたい、日本人の魂を揺さぶる1冊。
「第一部 歎異抄の意訳」では、できるだけ原文の真意が伝わるように、平易な意訳が掲載されている。また、序文から十章までの原文を、一流の書家・木村泰山氏の名筆で掲載する豪華なつくりになっている。
「第二部 歎異抄の解説」では、あまり詳しく世に紹介されなかったり、大きな誤解を招いたりしている部分の解説が掲載されている。
「第三部 歎異抄の原文」では、読みやすい大きな活字で、『歎異抄』全章の原文を、一挙に掲載した。声に出して読みたい時、仏教を学びたい時のテキストに最適。
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歎異抄をひらく
2021/07/31 21:24
東大の先生のくだり
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:考えることより感じること - この投稿者のレビュー一覧を見る
心から阿弥陀の救いを信じて念仏をとなえれば、ただ一度の念仏で極楽往生が約束される
という説明は誤りである。
と言う。
知らない人に説明をし、伝えるためにはイメージし易い内容にしたものと思われる。
全く理解できずに伝わらなければ何ら意味がないから。
正しくは、となえた行動のタイミングではなく、
となえようと思いたつ心のおこるときである。
従って行動するより前の、思いたつ心のおこるときと説明をせねばならない。
誤りは誤りである。
が、誤りをおかした人は、その言葉を十分に理解していた筈である。
では何故、わかりきっていることを誤ってしまったのか。
そして、そのあやまりを指摘された時点で直ぐに気が付かなかったのか。
指摘は、行動より前に思いがあることは明白であると言うものだ。
だから、誤りは誤りである。
心から信じてとなえる。
その意識と行動。
それをとなえる人が、心から信じて心のおこったときに
心に沸き上がる言葉は何か、感情は何か。
音声として発せられなくとも、そのときには既に同時にとなえられている筈である。
心から感謝をしたときに、既に同時にありがとうございますととなえていることと同じだ。
となえる行動より前に思いがあると言う指摘は正しい。
誤った人が、念仏を実際に自分の中に持っていたからこそ、
心のおこったときと行動をしたときのタイミングを同時と認識してしまい
わかりきっている筈の説明を誤ったものと思われます。
だからこそ、誤りに気付くことに遅れたものと思います。
よくよく人たちから聞くことがあります。
おもわず南無阿弥陀仏と言葉が出たと。
念仏とは、思ってから念じるものではなく
そういったものであると私は思います。
歎異抄をひらく
2008/06/24 23:59
歎異抄の、いい入門書
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岸四 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すっきりとした分かりやすい解釈、美しい装丁、美しい筆文字。歎異抄の入門書の決定版といった感じ。ところどころ、原文の現代語訳に意訳を大胆に加えている点には賛否両論あろうし、古文の勉強にはならない部分もあるが、逆に類書にはない、著者のオリジナリティとして評価できるのではないか。
歎異抄をひらく
2009/02/04 06:19
贔屓の引き倒し。
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宝島社の「救い(またはカルト)の正体」で紹介されて知った親鸞会の会長(その事は著者紹介では書かれていないが)が書いた歎異抄(ただし前半と後序のみ)の解説本。
見た目はきれいで、親鸞会の会長が書いた解説本として一読する価値はあろうが、親鸞聖人を完全無欠な存在だと持ち上げ過ぎて、却って贔屓の引き倒しになっている。(例えば親鸞聖人が息子の慈信房善鸞を東国に派遣して義絶した事について)。
歎異抄の解説書なら山ほどあろうが、ある程度真宗について予備知識が必要だが、佐藤正英著「歎異抄論釈」がお勧めです。