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仕事と家庭は両立できない?
著者 アン=マリー・スローター(著) , 篠田真貴子(解説)
働く女性が増え、共働き世帯が主流となった今も、育児・介護など家庭での役割を担い、
仕事との両立に悩んでいるのは圧倒的に女性です。
その一方で、もっと家庭の役割に貢献したくても、
それができない男性も少なくありません。
この状況を変えていくには、育児・介護と仕事との両立を女性だけの問題とせず、
職場や社会構造の問題としてとらえる必要があります。
長時間労働や性別分業意識が根強く残る職場をどう変えていく?
フレックス勤務には落とし穴がある?
組織や社会、そして個人に求められる意識改革とは?
外交の専門家として、世界で最も影響力のある革新的・創造的なリーダーを選出する
〈世界の頭脳100〉に4年連続で選ばれながら、
2012年、「なぜ女性はすべてを手に入れられないのか」で、
女性の育児と仕事の両立の困難を訴え、全米中の話題をさらった著者が、
仕事と家庭のあいだで悩むすべての人に贈る、まったく新しい働き方+生き方。
長時間労働や性別分業意識が根強く残る職場をどう変えていく?
職場や社会構造の問題としてとらえる必要があります。
仕事と家庭は両立できない?
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仕事と家庭は両立できない? 「女性が輝く社会」のウソとホント
2017/09/13 12:58
「Lean In」の次の時代
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アクアマリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に良書。
シェリル・サンドバーグ氏の「lean In」を更に進化させた女性のキャリア本です。恐らく、筆者自身もそのように考えていると思う。
「lean In」の中で、シェリル・サンドバーグ氏は「私と同じ選択をしないと言って同性を責めているように聞こえかねないことは百も承知で」全ての女性を鼓舞しました。
その動機は畢竟、「世界をよりよくする」という理想のためでした。
しかし、本書はその理想に加え、「幸せな人生を送るために」という視点が加味されている。
そう、より良い社会を実現するために戦う女性が、「夜一人で帰り、アパートで出前の中華を食べる」生活では、特に若い世代の女性では共感を得られないと思いますし、そうなっていくべきだと思います。
「unfinished bussiness」では、繊細な視点で世の中に転がる「女性のキャリア問題」を読み解いていきます。
そうして出た解は、「実は、女性の問題ではなく、ケアの問題である」でした。
つまり、今社会では、人より努力し、競い合ってお互いを高めあっていく「競争」が高く評価されている一方で、人のお世話をする、慈しむという「ケア」が非常に低く評価されている。
そのケアへの不当な評価こそが問題なのです。
本来、競争もケアも、世の中には必要な、重要なことです。
努力し実力を高めていくことと同等に、子育てをしたり、家族を労ったり、介護したりすることは必要なことですが、実際に、子供の今後に大きく影響を及ぼす教師というケアの仕事の報酬は低く、社会的な地位も高くない。
実は、「女性の問題」ではなく、「ケアの問題」こそが本質だとこの本では解いています。
まさしくその通りだなと感じました。
論文から豊富に根拠が引用されており、説得力があります。
また、男性だけでなく女性にも変わる必要はあることや、「Lean In」より遥かに売れたフィフティ・シェイズシリーズ(お金持ちで完璧な男性とのラブストーリー)への言及、ある法律事務所であった「なぜ女性が辞めてしまうのか?」という調査結果で分かった痛快な事実など、読み応えたっぷりです。
著者には二人の子供がおり、夫は教授です。お互い実りあるキャリアと幸せな生活のためにどんなことを考え、行動したのか。
きれいごと抜きで、スーパーウーマンもいない、著者の体験談には一見の価値ありです。ぜひ本書を読んで確かめてください。

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