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小山田信茂
著者 山元泰生 (著)
甲斐国郡内(現在の山梨県東部地域)小山田家に生まれた信茂は、文武に優れた才能を武田信玄に認められ川中島、三方ヶ原の戦い等で鍛え上げた投石隊を率いて奮戦し、武田家の栄光に大いに貢献していく。しかし、信玄亡き後、時代の波は大きくうねり、信茂と武田家を追い詰め、信茂は、愛する郡内の地と民を守るため、身を裂かんばかりの苦渋の決断に迫られるのであった・・・。
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小山田信茂
2015/04/24 10:21
疑問が解けました
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高遠仁科 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小山田信茂は最後に武田勝頼を裏切ったとして有名な武将です。でも、彼が岩殿城にわざわざ勝頼を招いた理由が理解できませんでした。本当に裏切る気なら勝頼を北条に突き出せば本領は安堵されたはず。郡内を戦場にしたくなければ真田昌幸の岩櫃城に行かせれば良かったのです。それを考えると彼の行動には何か事情があるとしか思えませんでした。その辺りの疑問がこの本を読んで解けました。ネタバレになるので書きませんが、そういう細かいところが伝わることなく「裏切り者」というレッテルだけが貼られしまっているようですね。
小説なのである程度フィクションなのでしょうが、その事情に関しては勝頼を描いた他の著名な二編の小説でも同じことが書かれていましたので、恐らく史実に基づいているのだと思われます。
また、小山田信茂は譜代と見られることが多いのですが、武田家臣であるよりも前に郡内の領主であるという事実が理解できました。これらの事を踏まえた上でその行為を「裏切り」と判断するか否かは個人の自由だと思いますが、史実は突き詰めて行く必要はある、と痛感しました。
読みやすく面白い良書です。が、勝頼が必要以上に悪く書かれている気がして★は4つにしておきました。