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豚は飛んでもただの豚? 完結
元不良でこの春から高校生になる真宮逢人は、バイト先から逃走する食い逃げ犯を追いかけていた。逃げられそうになったところを、ポニーテールの美少女・藤室綾の純白の……――ではなく、ハイキックに助けられる。真宮はその日から、綾のことをなぜか忘れられずにいた。高校の入学式当日、真宮の席の目の前には、見覚えのあるポニーテールが揺れていて、思わぬ再会を果たす。さらに、バイト先には綾の妹・瑞姫までやってきて、新しい日々が始まる予感。そんなある日、真宮は瑞姫から「綾姉のこと気になるんでしょ?」と告げられ――。第7回新人賞〈最優秀賞〉受賞作・元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す、青春×初恋×ぽんこつストーリー堂々開幕!!
豚は飛んでもただの豚?
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2012/01/24 01:22
MF文庫J 新人賞最優秀賞
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:霜柱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
MF文庫Jにおける新人賞最優秀賞なわけですが、MFお得意のラブコメというよりはボーイミーツガールですねー
元不良で現ボクサー志望な主人公(朴念仁)がとある三姉妹+αと出会い、成長したり、+αと殴りあったり、恋をしたりと、実に青春なお話。
続刊前提なお話のようなので、この1巻だけでは話は終わってませんねー 続きが楽しみです。
2015/08/28 13:10
ほんのちょっとのきっかけが人を変えることもある
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
元不良として恐れられ他人から避けられている高校生の真宮逢人は、食い逃げ犯を追いかけているときに、空手少女の藤室綾と出会う。何となく彼女が印象深く残った逢人だったが、彼らは高校のクラスで再会する。気安く分け隔てなく普通に接してくれる綾に、これまで抱いたことがない、認められているという気持ちを抱く逢人。
そして彼のバイト先には、新入りバイトとして、藤室瑞姫がやって来る。彼女は綾の三つ子の姉妹だった。残る姉妹の藤室雲雀とは彼女がナンパされているところを助けた関係で知り合い、逆に襲っていると勘違いされ、彼女の幼なじみの豚こと神指風太郎に襲われる。
豚なのにフットワークが軽く、ボクシングで鍛えた逢人を追い込む風太郎へのリベンジを綾に勧められた結果、風太郎とも仲良くなり、瑞姫には逢人が綾を好きになったと見抜かれてしまう。そして彼女は、逢人が綾に好かれるための協力をすることになるのだが、二人で相談している姿を目撃され、逆に彼女たちが噂されるようになってしまった。
そもそもなぜタイトルがこうなんだろうと考えざるを得ない。確かに豚みたいに扱われるキャラクターは登場するけれど、彼が主人公ではない。主人公は、元不良だけれど高スペックのイケメンなのだ。全く自覚がないので無駄だけど。
豚が飛ぶという意外性を、人が変わるということのメタファーとして表現しているという見方も出来なくはないが、迂遠に過ぎるし内容を的確に表現したタイトルでもないと思う。とにかく、豚は飛んだら豚じゃないよ。
ストーリー的には比較的ありがちな話かもしれない。殴りあったら男の友情が生まれるとか、恋愛相談していたらそちらに恋の芽生えがあるとか、陳腐で、しかしゆえに人の興味を惹きつけるネタだ。そこに、高スペックなのに自覚がなく、しかも周囲から避けられているという、現代的ないろんな要素をミックスした様な主人公を付け加えている。だが逆に言えば、展開はありきたりということでもある。
個人的には、神指風太郎のキャラが強烈で、こっちを主人公にした物語の方が絶対に面白いと思う。とんでもなく振り回されるとは思うが、魅力がある。いまの主人公は、主人公を張るにはちょっと押し出しが弱過ぎる気がする。高スペックだし、強気キャラだし、元不良なんだけどね。
2015/09/15 16:27
自分だけでは気づけないこと
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつてはケンカに明け暮れた高校生の真宮逢人は、ボクシングに出会い、そして藤室綾に魅かれたことで変わって来たように思う。綾の三つ子の姉妹である藤室瑞姫の協力を得て綾と少しずつ話せるようになったり、同じく三つ子の一人である藤室雲雀に絡んで神指風太郎と出会ったり。
そんな彼に差し迫っていたのは、入学して初めての中間試験だ。しかしいま初めて試験があることを知ったくらいで、勉強などしているはずもない。いつもは協力してくれる瑞姫も、自分自身がそれほど勉強が出来る訳でもないので、手伝ってくれない。留年するわけにはいかない彼は、進退極まって綾に助けを求めることになる。
今ひとつキャラクターをつかみきれないので、設定を深めるエピソードが語られても空しく感じてしまう。作者が感情移入できるタイプと、主人公に与えた属性に微妙なずれがあるのではないだろうか?そして描かれる人格は、結局のところ感情移入できるものに収斂するので、キャラクター間の差異をあまり感じられなくなっている気がする。
そんなわけで、今回は人と人が互いに相互作用を及ぼしながら、成長し、変化していく展開だ。本来のターゲットではないところで、深く心情的なつながりが出来ていく所は、皮肉としか言えない。本当に自分にマッチする人と、憧れる人は別なのかもしれないな。