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具体と抽象
著者 細谷 功
永遠にかみ合わない議論、ヘイトスピーチ、ネットでの炎上。その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から検証。具体的言説と抽象的言説のズレを四コマ漫画とシンプル図解で表現。【目次】●序章 抽象化なくして生きられない ●第1章 数と言葉 ●第2章 デフォルメ ●第3章 精神世界と物理世界 ●第4章 法則とパターン認識 ●第5章 関係性と構造 ●第6章 往復運動 ●第7章 相対的 ●第8章 本質 ●第9章 自由度 ●第10章 価値観 ●第11章 量と質 ●第12章 二者択一と二項対立 ●第13章 ベクトル ●第14章 アナロジー ●第15章 階層 ●第16章 バイアス ●第17章 理想と現実 ●第18章 マジックミラー ●第19章 一方通行 ●第20章 共通と相違 ●終章 抽象化だけでは生きにくい
具体と抽象
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具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ
2015/10/15 18:44
「無知の知」の意味がわかる本
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nagashiman - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はタイトルからは想像ができないほど読後の感銘が味わえる本だ。例えば著者の主張の1つである「科学技術の発見は抽象レベルのまねから生まれる」と初めて聞いた人は,「何のことやら」と思うに違いない。しかし,読み進めていくにつれて主張の納得性が高まり,「うーん」と唸ってしまうのは読者ならではの感想だろう。最近の出版書にはタイトルに「わかりやすい」とか「よくわかる」という言葉が多用され,あたかも「わかりやすい」ことが優良図書の代名詞のようになっている。著者は具体的な「わかりやすさ」の上位概念として抽象化を置き,抽象レベルのまねが新規ビジネスにつながると訴えている。ただし,万人に「わかりやすい」具体的表現と理解されにくい抽象化概念の優劣を競う話ではない。むしろ具体レベルと抽象レベルを使い分けがコミュニケーションにとって重要であることを説いているのである。1回の通読ではなく,「具体と抽象」の真意がわかるまで何回も読み込むほど感銘できる本である。まさに名著だと思う。
2018/03/11 12:22
難しそうな書名ですがマンガもあって読みやすいです。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
具体と抽象。具体的な話しがやさしくて、すぐれていると、誰もが思う。しかし、プロジェクトの進み具合や相手の理解度によっては、具体的な話しをしているつもりでも、まるで伝わらない。むしろ抽象的に話すほうが伝わるとの指摘は、すごく新鮮だった。
具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ
2016/06/23 16:49
具体と抽象のやりとり
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やましお - この投稿者のレビュー一覧を見る
具体と抽象、というと、
具体的=わかりやすい、抽象的=わかりにくい、というイメージをもつかもしれない。
たとえばなにかがふろしきに包まれているとき、
「それなにが入っているの?」と言われて「カレーの材料」と答える、これは抽象的である。具体的にはふろしきをひろげて、じゃがいも、にんじん、カレールー・・・・・・と見せていくことになるが、さて、どちらがわかりやすいだろう? てっとりばやいだろう?
こういうところにも抽象のわかりやすさはある。
実際には、具体と抽象はグラデーションになっていて、
だから一概に具体がいい抽象がいい、これは具体だこれは抽象だ、
という言い方はあんまり意味がないのだけれど、とにかくそのあたりの話がいくつもの視点でテンポよく説明されている。