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2件
限界ニュータウン
著者 吉川祐介
千葉県北東部には俗に「限界住宅地」「超郊外住宅地」、あるいは「限界ニュータウン」と呼ばれるような分譲地が数多く存在する。そのほとんどが1970年代半ばから80年代にかけて、投機目的で分譲されたミニ住宅地である。
首都近郊にありながら、交通利便性は悪く、生活インフラもあまり整っていない。
家屋よりも更地のほうが多く、住民の新陳代謝もあまり起こらない。
無住区画はどんどん荒れ地化していき、共同設備は劣化。住宅地は管理不全に陥っていく。
これは千葉県だけの問題なのか。
だれがこの状況を作っているのか──。
「限界ニュータウン」を訪ね歩きつづける著者が、
その誕生から現状をたどり、利活用と未来を考える。
限界ニュータウン
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限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地
2022/10/02 19:07
土地神話のあだ花
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koba - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて土地や土地付き一軒家を持つことが人生の夢であり希望の時代があった。
1981(昭和56)年生まれの著者が自らのブログでとりあげてきた問題をわかりやすくまとめあげた1冊
これらの土地(不動産)は悪名高き「原野商法」とはいささか異なるものの、不動産を必要以上に細分化し国土の計画的利用や経済・防災面でも将来に様々な影響をもたらす存在として顕在化している。
自らもそのような土地に住む著者はそのような住宅地の活用法について安易な公的支援に頼らず、自活を中心としたプランを提示している。
一方頼りにすべき行政は「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」でも来年(2023)施行の「相続土地国庫帰属制度」でもこの問題の解決には現場であまり力にならないようだ、このような問題解決の仕組みづくりこそ国会で政治家が議論すべき事柄ではないのかと強く思えた。
限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地
2023/02/22 07:22
個人や地方自治体だけでは解決の難しい問題
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて「原野商法」と言われる詐欺が話題になった。
「限界ニュータウン」問題は詐欺ではない。
今見ると「なぜこんな所を宅地開発したのか?と思うような立地も、当時はさまざまな思惑で開発された。
そんな物件が放置されて問題が起きている。
これは財政基盤が弱い地方自治体や個人では難しい問題だと思う。
国や自治体にもっとこの問題に向き合って欲しいと思う。