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3件
ザ・ボーダー
国境、人種、階級、法、
あらゆる境界/限界(ボーダー)を超えた麻薬との戦い――
これこそが犯罪小説の完成形。
――解説:杉江松恋
エンタメ直球の疾走感と文学の重み… ウィンズロウの3部作はまさに『ゴッドファーザー』と『戦争と平和』のハイブリット版だ。
――ニューヨーク・タイムズ
グアテマラの殺戮から1年。メキシコの麻薬王アダン・バレーラの死は、麻薬戦争の終結をもたらすどころか、新たな混沌と破壊を解き放っただけだった。後継者を指名する遺言が火種となり、カルテルの玉座をかけた血で血を洗う抗争が勃発。一方、ヘロイン流入が止まらぬアメリカでは、DEA局長に就任したアート・ケラーがニューヨーク市警麻薬捜査課とある極秘作戦に着手していた――。
ザ・ボーダー 下
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ザ・ボーダー 下
2020/02/15 00:35
あくまで小説です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:肋骨痛男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルテルの主要登場人物はほぼ全員死に絶え、漁夫の利を得た形のニューハリスコカルテルという構図は現実世界でも同じようですが、今度は他のカルテルが手を組んでその頭目を殺すべくシカーリョを送り込むという全く終わりの見えない現状はウィンズロウが一貫して主張している通りの展望であり、3部作を通じて主人公ケラーが繰り返し想起するようにパンドラの箱の蓋は開けられてしまっているわけです。
生き残った主要登場人物のすべてのその後が見えるわけではない、ある種オープンエンディングとなっているので、スピンオフ作品執筆のら可能性を感じる。今作でトランプ政権批判に手を付けた以上、今年の大統領選以降に何らかの動きがあっても不思議ではないと思いますね。
ザ・ボーダー 上
2020/02/15 00:23
歴史小説と言ってもいい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:肋骨痛男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
存命の人間は名前がぼかされていますが、カルテル関係の登場人物はモデルとなる人物がいます。この3部作の中で起きた事件などもだいたいはモデルとなった事件がありますね。日本に暮らしている限りどこまでも対岸の火事なので皮膚感覚として麻薬戦争を捉えることはできませんが、本作を読むと現在進行形で続いている地獄の様な暴力の連鎖に圧倒されます。