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4件
陰翳礼讃
ほの暗さの向こうに、美しい世界が見えてくる
建築や灯り、漆器や芸能などを題材に、暗がりに潜む日本の美の本質を捉えた谷崎潤一郎の名作『陰翳礼讃』。「日本の美」を考える上でのバイブルとも言える1冊が、作品にふさわしい美しい写真とともに楽しめる、ビジュアルブックとして蘇ります。
陰翳礼讃
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陰翳礼讃
2018/05/20 00:14
燭光
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人にとって 膳に 漆器 蒔絵 金屏風 が必要なのかがよくわかる
豪華な食事に華を添える
陰翳礼讃
2020/12/01 23:59
はるか昔の話なのになぜか今でも共感できる。写真も美しく心洗われる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、谷崎潤一郎が、古き良き日本の芸術、美的文化を、西洋文化によって変わっていく状況下において論じた随筆である。
これは、1933年つまり、第二次世界大戦よりも前に書かれていて、西洋文明の利器が日本でも主流になりつつある時代、その変化を通じて風流とは、日本らしさとは何かを語っているのだが、なぜだかこれが、現代日本、しかも身の回りを見回してみれば、同意共感せざるを得ない内容であり、日本の芸術、文化のルーツがどこにあるのかを考察するにあたって、大変に参考になる本だった。ただし、現代のもとい私の感覚からすると、説明に納得はできるが、受け入れられない内容もあった、しかし、この場合でも、「昔はそうかもだが、今の人にとっては、『違うだろ!』という内容なんだ谷崎さん」と思いめぐらすこともでき、ここに古い随筆を読むときの楽しみがあるのではないかなとも思った。
写真についても、日本屋敷から和菓子、風景まで、随筆の内容に即した美しい写真が挿入されていて、この文章を読んだ後の施策に大いに役立った。
日本文化や、四季折々の変化が楽しめる人におすすめ。
陰翳礼讃
2018/12/24 20:58
陰影礼賛
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投稿者:eclogite - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の伝統的な価値観を西洋の価値観と対置した評論。谷崎は、前者の方を優れていると判断している。「茶の本」と通底する思想が流れている。写真との協調した本となっているが、本文の趣旨と合致していないものも散見され、写真家と著者の価値観が必ずしも一致していないことを伺わせる。これは、時代状況を共有できないことに由来するものだろう。