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小宮一葉 ファースト写真集「道草」〈電子版オリジナル〉
「日活ロマンポルノ」50周年記念映画『百合の雨音』(22年)で主演を務め、鮮烈な印象を与えた女優・小宮一葉。
新境地を拓くべく、はじめてのグラビア撮影で初のフルヌードに挑んだ。
リアルでエモーショナルで赤裸々な姿に心を揺さぶられる、電子版限定のファースト写真集。
【プロフィール】
小宮一葉(こみや・かずは)
東京都出身。T161。東京音楽大学ピアノ科在学中に女優デビューし、以後数多くの映画に出演。「日活ロマンポルノ」50周年記念の主演映画『百合の雨音』(22年/金子修介監督)は台湾でも上映され話題に。またCMでも精力的に活動する。
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小宮一葉 ファースト写真集「道草」〈電子版オリジナル〉
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2023/09/01 17:23
力強い儚さ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユキシゲゼンニ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小宮一葉さんの存在を知ったのは、今泉力哉監督の『こっぴどい猫』(12年)で。彼女は純粋さと奔放さと無神経さを併せ持つ美しい娘を演じていた。その後、中野量太監督の短編『お兄チャンは戦場に行った!?』(13年)では無責任で甘えん坊で考えなしの兄に振り回されるしっかり者の妹役を演じ、昨年(22年)の『この子は邪悪』(監督:片岡翔)では母親役、『百合の雨音』(監督:金子修介)ではヌードにも挑戦した、俳優としては十年以上のキャリアを持つベテランなのだが、未だにその佇まいに、どこかしら不安定さや脆さを醸しだせる、不思議な存在である。その彼女が、コンセプトから密接に関わった写真集(ヌードあり)を発表したというのだから、受け取るこちらとしても、期待と不安でいっぱいの心持ちになる。
結論から言えば期待どおり、いや、期待を越えて「小宮一葉らしさ」に溢れた写真集であった。全体に寂しさ、いたずら心・遊び心、そしてほのかなエロスが見てとれる。しかも多くの写真で彼女はまっすぐレンズ(つまり我々読者の方)を見据えているのだから、ドギマギしてしまう。
嘗て彼女がミスiD2015 ファイナリストに選出された時、審査員のひとり、映画監督の山戸結希が「プライドの標高がカメラの中でだけ気品に転化するさまが唯一無二的。映画女優以外の何者でもない、力強い儚さがある。白い光の中で全部をぶっ飛ばして、天下を取られてください」と評したが、その具現化がこの写真集である。柔らかい白い光の中の彼女からは今も「力強い儚さ」が溢れ出ている。