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459件
HUNTER×HUNTER モノクロ版
著者 冨樫義博(著者)
父と同じハンターになるため、そして父に会うため、ゴンの旅が始まった。同じようにハンターになるため試験を受ける、レオリオ・クラピカ・キルアと共に、次々と難関を突破していくが…!?
【期間限定無料配信】HUNTER×HUNTER モノクロ版 1
閲覧期限:2025/05/07 23:59
HUNTER×HUNTER モノクロ版 38
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ハンター×ハンター NO.30 (ジャンプ・コミックス)
2012/04/12 22:00
「王よ、王」
27人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:お月見 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い休載後の連載再開からこっち、単行本でいうと23巻から24巻以降。物語の手触りが変化していくさまを見守ってきた読者として、この30巻で、はっきりと休載以前との「違い」を感じたように思います。
ネタバレになると困るので、まだ本書を読んでいない方は気をつけて欲しいのですが、本誌連載中、メルエム王と軍儀の天才少女コムギの長い語りのシーンを読んだ時から、カチリとチャンネルが切り替わるように、「HUNTER×HUNTER」はキャラクターの魅力に引っ張られる漫画から、ストーリーの緻密さに飲み込まれる漫画に変わってしまったのだなあと思ったのでした。
読んでいるこちらがとまどうぐらい、とにかく急激に登場人物が成長します。精神的にも肉体的にも。主人公も親友もライバルも敵役も。
本音をいえば、私が好きだったHUNTER×2は、ゴンやキルアが仲良くころげまわり、クラピカは復習の呪縛から解き放たれ、レオリオはドクターになってくれればそれで良かった。ついでにヒソカやゾルディック兄弟も相変わらずほくそ笑み、旅団も相変わらず悪巧めばいいし、団長も束だか東だかに行ってくればいいし(すごい乱暴なくくりですが)。
だけどここ最近の物語の行方は、そんな甘えた期待を許さず、壮大な世界観の広がりが、歴史の流れが個々のキャラクターを動かす大河へと変貌を遂げたのでした。
作者の初期の連載である、「幽☆遊☆白書」を思い返してみても、ストーリー後半で主人公、幽助の出自を遡ったあたりから、やっぱりキャラ重視から独自の世界観のねじれに重点が移っていったような感じがしたし、ある意味、暴走といっていいほどの急展開を遂げたのでした。
更に、幽白とHUNTER×2の間の連載である「レベルE」に至っては、キャラの魅力もさることながら、特異な世界観も主役のうち、といってもいいぐらいの異端ぶりだったので、逆に破綻はなかったともいえます。はじめからキャラとストーリーが同軸で語られていたので。
話が別の作品にそれてしまったので、本書の感想に戻りますが、一番驚いたのは、これだけ長い間をかけて執筆し、数多くの犠牲者と、登場人物の変貌を生んだ、(そしておそらく多数の読者のため息も生んだ)キメラアント編の締めが、一人の王と少女の存在意義の確認だったこと。だけどきっと、現実の歴史上の人物もこんな感じだったのかもしれない。この辺りのひねくれ感ががいかにも作者らしいです。
その後の顛末とハンター協会の行く末も、まったく先が読めずにただストーリーの行方を追うだけで、精一杯。
それでもやっぱり、こんなに続きが気になる漫画はないと思ってしまう。
今はただ、31巻以降に登場する、懐かしき登場人物たちの行方を見守りたいです
ハンター×ハンター NO.29 (ジャンプ・コミックス)
2011/11/22 00:05
継承すること
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:muneyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
本誌は未読で、極力情報を得る事を避けているので、あくまで29巻の感想です。
・・・いやぁ、これはもう、いくら待たされても評価せざるを得ない。面白い。
しかも、かなりギリギリの所で、きちんと「少年漫画」であることを保ってる。
かなり皮肉っぽい雰囲気でありながら、「友情」「努力」が勝利に繋がっている、という。
読みながら思っていたのですが、
「友情」=その場に存在しない自分以外の人の思い
を
「努力」=過去から未来へ繋ぐこと
で
生存フラグが確定=「勝利」に繋がってるんでない?
つまり、何が少年漫画っぽさを感じさせたかというと、
「きちんと少年漫画的な順序を踏んでいるキャラクターは生き、」
「そうでないキャラクターは死ぬ」
という、「少年漫画」というルールを下に、運命が確定しているような部分にそれを感じたのです。
幾つか例。
他の漫画や映画だと、確実に死亡フラグであろう決意や台詞を漏らしているキャラ。
シュートやイカルゴ。
何回も死亡フラグを立てますが、生き残るんじゃないかと。
彼らの「努力」は「友情」へと繋がっている為です。
「努力」の方向が「友情」では無く、「自分」であったり、もしくは「ほぼ自分」という自分と同一視するキャラへのものであった時、そのキャラクターには未来が無くなる、のでは。
例えばネテロ会長。
多分この漫画中、最強の部類に入るキャラクターだろうに、王に対して思いっきり噛ませ犬化してしまった。
結局、会長の強さは、王が述べるように「個の頂点」だった為ではないか、と思います。
王の反則級の強さの要因は、彼が「種族の頂点」である為に持つ「思いの強さ」です。彼自身では無く、「キメラアント」という種族に属する者達全ての願いがここに集約されているのです。
その王に対し、会長は滾る、滾るとか詰めるもんなら詰めてみなとか、結局のところ、他者の思いを介在すること無く、自分の為に闘ってしまった。負けるのも道理っちゃあ、道理なのです。少年漫画的に。
で、相対する王。
ただ、無条件に存在して居れば、「迷いの無いキメラアントの王」として、「種族=第三者の思いを継ぐ者」として、無敵の存在だったにもかかわらず、王・メルエムはコムギと出会った事により、条件付きの存在、即ち「自分探しモード」、非常に揺らぎ易い存在になってしまう。
コムギを存在意義の柱として確立出来れば、まだ無敵だったのでしょうが、その意義も失ってしまった。
このシーンの後、王は死んだり生き返ったりしてますが、後々コムギが復帰して王と出会う様な事があったとしても、「無敵の存在である王」はこのシーンで死が確定したのではないでしょうか。
で、ゴンさん。
自身が仰っているように、彼は「ここで終わり」なのです。
少年漫画的に、「死者の思いを継ぐ為」、例えばカイトの思い、「キメラアントの殲滅する為の闘い」であれば、アリだったのですが、明らかにゴンさんは「死者の為」闘ってらっしゃる。
死者の思いとは、口寄せや交霊術みたいなシークエンスを挟まない限り、遺された者の身勝手な思い込みでしかない。
故に、「自分の為に闘う」ゴンは死ぬ。
・・・とまぁ、ゴンが、レオリオとかクラピカ辺りのポジションであれば確実に死ぬシーンでしょうが、一応主人公なのでココで終わらせてしまうと話が終わる。
どうやってソコの所理由付けをするのか、次の巻をまた楽しみに待ってます。
まさか富樫先生だし、精神世界でカイトが出て来て「生きろ、ゴン・・・!」なんて興醒めシーンはやらない筈、ですよね?
ハンター×ハンター NO.33 (ジャンプコミックス)
2016/06/26 11:57
必読ですが今は読まなくても良いかも
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジャイアンツファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
冨樫節全開です。
盗んだバイクで走り出す♪が不適切だと抗議される中、この漫画は大丈夫なのだろうかと心配になってしまうくらい全開です。
少年誌で本当に良いのだろうか?
あ、褒めてます。
このフィクションに抗議をするような方々は念能力者になれると思っている方々なんでしょうから。
で、冨樫節全開ですので1巻ほぼ全て伏線です。
これから始まるゲームの説明書を読んでいるようなものなので、文字数が多いです。
多い文字を全部読んで、ホイミの効果やべんりボタンの使い方を覚えたとしても、ゲームが始められないので、冒険はできません。
これから面白くなるであろうゲームですから説明書は必読ですが、ゲームが始まってから読んでも遅くないと思います。
が、説明書だけ読んでワクワクするのもゲームの楽しみ方のひとつでしょう。
とっても面白い説明書です。
抗議があるのか無いのか知りませんが、とにかくゲームを始めてゲームを終わらせて下さい。
私が死ぬまでにはなんとかして欲しいです。
そう思わせる1巻でした。