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261件
夏目友人帳
著者 緑川ゆき
「妖怪が見える」という秘密を抱えた孤独な少年・夏目。強力な妖力を持っていた祖母・レイコの遺品である「友人帳」を手にして以来、妖怪たちから追われる羽目に!! 祖母が妖怪たちと交わした「契約」をめぐって、用心棒・ニャンコ先生とともに忙しい日々を送ることになった夏目は…!? あやかし契約奇談!
夏目友人帳(32)
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夏目友人帳 11 (花とゆめCOMICS)
2011/04/08 20:05
子供の狭い世界から脱するということを、妖怪というありえないものを使って描いていこうとしている作品なのかもしれない
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
タキの家の蔵にいた妖しの話と、夏目が親と一緒に住んでいた家の話。
ちゃんと両親との思い出があって安心したよ。
子供の頃のエピソードが、たいてい理不尽に可愛そうなものだし、夏目が自身の親を回想することが今までなかったので、ホントに赤ん坊の頃に親を亡くしてしまっていたのかと思っていたよ。
ちゃんと、愛された子供時代があって、本当によかった。
にしても、子供というものは残酷なものだ。
父を亡くしたあと引き取られた家で、夏目にひどくあたるその家の娘。でも、彼女は彼女で自分の世界を守ろうと必死なのだ。夏目が子供の頃の切ないエピソードの数々は、彼が異質であった故で、子供達は自分の狭い世界を必死で守ろうとするから彼の異質は決して受け入れることができない。
だから、子供は残酷になる。
タキの家の蔵の妖怪の件では、タキや田沼も夏目に歩み寄ろうとしてくる。
それは、タキや田沼がもう子供ではない存在だからなのだろうと思う。
そして、夏目自身も子供ではなくなったから、二人の助けを、さしのばされる手に手を伸ばすことができるようになったのだ。
…タキの家の妖怪が、最後に陣の中にはいってタキに「さらば、真一郎の孫」と告げるところで、涙腺決壊しました。ロマンチストのじいさまの話には、とっても弱いのですww
夏目友人帳 7 (花とゆめCOMICS)
2010/01/27 21:16
でも、夏目のその危うさが魅力でもあるのです。
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
7巻は、的場という払い屋に会う話。妖怪たちと宴会つか遊ぶ話。と、「夏にはため息をつく」を収録。
「夏には…」は、好きな子に素直に好きといえない純情な男の子の話。男の子は、ちょっと特別な子なんだけど、特別だろうが人を恋しいと思う気持ちの純度はまぁ、いつだって切ないもので、切なかったです。
で、夏目の方だけど。
夏目とは違う立場で妖怪とかかわっている名取がいるけど、それでも名取は妖怪と歩み寄るところがある。が、的場は、徹底しているわけで、当然のように夏目とは敵対してしまうわけだ。
上手いなぁ。最初に名取を配して、しかもこの話の中では、むしろ名取が夏目をかばい、守る。きっと、友人帳を手にして、にゃんこ先生と出会った直後に的場に出会っていたら、夏目は自我を失っていただろう。
結局のところ、妖怪が見える、見えるだけという夏目にとって、妖怪とのあれこれは自分というか、自我との戦いなのだろう。だからこそ、自我の乏しい子供時代、彼はただ傷ついていくしかなかった。藤原夫妻の元にきて、自分を大事にすることを覚えたからこそ、彼の自我は育ち、妖怪と向き合うことができるようになったのだ。
とはいえ、彼の自我はまだ危うい。
このさき、きっと的場はその夏目の危うさにつけこんでいくのだろうなと思うと、切ない。危うさを抱えながらも、全てを受け入れる度量の大きさを、自我を、夏目が持てるといいなと願うばかりである。
夏目友人帳 10 (花とゆめCOMICS)
2010/08/21 20:19
夏目の確かな成長が感じられる2本
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
*偽りの友人
*月分祭
夏目の小学校の時のクラスメイト、でも、変わった子供だった夏目をいぢめていた柴田が、突然やってくる。
「こっちでは友達出来たんだ」とか「すまし顔のくせ人の顔色ばかり気にしていたのに」とか、相当嫌み言われるのになんだかんだと付き合ってしまう夏目のお人よしっぷりに、やっぱいい子だなぁと思うのであった。
しかも、家のお使いを手伝ってもらったことをとっても恩義に感じてたりして…。
柴田が好きになった女の子は、妖かしで、それゆえに夏目は柴田にひどいことを言われたりするんだけど、かかわった以上途中で放り出したりは決していない夏目の強さが、愛おしいようで危なかしくて不安だったりするのである。
でも、この強さも優しさも、この町にきて藤原夫妻や友人や、それこそ妖かし達に触れてきたからなんだよね。
最後にちゃんと夏目に謝れる柴田も、素敵だった。
「月分祭」
また、やっかいごとに引き込まれる夏目。
頼まれると嫌と言えないのは、ま、仕方ないかww
やっかいごとには、名取もからんできていて…。はからずも、名取との距離が近くなる話だった。
違うからこそ補っていける、と思うようになった夏目は、また一つ成長したんだね。
心にしみるいい話だった。