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ホーリーランド
著者 森恒二
学校にも家庭にも身の置き所がなく、自分の存在が確認できない高校生・神代ユウ。ボクシングのワン・ツーを覚えた彼は“ヤンキー狩り”をするハメになり、夜の街の戦いに巻き込まれていくが…!?
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ホーリーランド(18)
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ホーリーランド 18
2008/08/03 11:51
コミュニケーションとしての「暴力」
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
男だったら素手でタイマン、は理想ではあるが、なかなか、そういうシチュエーションというものは意外とない。ギャラリーの無言の圧力、介入は致命的な影響を及ぼすし、そもそも本当に二人きりになったら、「ども」「ども」と軽く挨拶して通り過ぎるのが、本来の当事者の関係であったりする。「素手でタイマン」を理想化しているときの自分というのは、やはりギャラリーの中の一人である。「素手でタイマン」でも大けがはするし、死に至る危険も大きい。やはり、「暴力」は避けるにこしたことはない。
しかし、原始・古代に遡る、自分の中の、ギャラリーとしての欲望、と闘争本能、二つの矛盾する欲望が相まって。スタジアム:格闘場は存在する。多分スポーツの本質は、ストリート・ファイトを安全に囲い、「二人きりの関係」を純化したあたりに起源を有するのではなかろうか。
そのスタジアムが、個々の選手の方々の本意に反して、どんどんバラエティ化していく中、ギャラリーの欲望はまた、その原点、決して現実には現れない(その場を欲望するギャラリーの存在自身がその場を消し去る、という矛盾をはらんでいる)、『ホーリーランド』を求め続ける。
数年前、テレビ東京系で放映された、金子修介監督(『1999年の夏休み』)監修の『ホーリーランド』(DVD入手可)も秀作であるが。本巻を読み終えて、マンガの「腕力」を思い知らされた。
故梶原一騎先生ばりに著者が(腕組んでたりはしないけど)、語り手として時折現れ、技と関連武術、ストリート・ファイトについて詳細な解説を加えてくれる、本作品。ついに完結を迎えた。『ヤングアニマル』(白泉社)誌上での完結から、予想以上に早い増ページ・単行本化。関係者各位の熱が伝わってくる。
ひきこもりの少年が孤独なトレーニングを経て、身につけてしまう体「力」。その力を使ってコミュニケーションを計ろうとする彼が選んだ、選ばされたのは、ある街を舞台にしたストリート・ファイトの日々であった。
強くなればなるほど、彼のカーストは向上し。安定する。
だが、その平和を守るためには、さらに強い相手、そして邪悪な、ギャラリーを操る術と己の身体を操る術を兼ね備えた相手たちとの、「格闘」が待ちかまえている。
本作品では、かつて、ある種のマンガを悩ませた、「強さのインフレ」は、幸いにも最後まで生じなかったように思える。登場する相手の強さには、ケレンのない、実証的かつ人間関係の力学に基づいた、きちんとした伏線が張られている。そして、主人公の身体は強く闘う身体であるとともに、具体的に絵に現れるように、読み手に痛みを与えるほど脆く、傷つく。その心、主人公が目ざし、関わる、相手の拳もまた、強く、かつ脆い。
だからこそ、彼らが己を賭けるのは、「未成年」という、期限付きの、安全地帯=戦場での、ストリート・ファイトという、矛盾。ファースト・フードをパクついて、だべっていることに満足できない、ギャラリーでいることに耐えられなくなった少年たちの、身体を張ったコミュニケーション。
全ては絵空事、それ故に、美しい。
2020/09/12 10:05
友達
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ボリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
空手の緑川との対決。よくある格闘物に出て来そうな暴れキャラ…
マサキの解説のおかげでわかり易くておもしろい!
負けた責任を取らされ追われる緑川に共闘を持ちかけられるが、あっさり断るユウ。真っ赤になりながらの「と、友達っていうのはど、どうかな」発言がホントにかわいい!
2020/09/12 09:37
立ち読み!?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ボリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユウ、まさかの立ち読みでボクシング技を習得。通信教育よりすごい(笑)本買えば?
マサキと岩戸さんのアドバイスで更に先へと進むユウ。岩戸さんはユウにひどくやられたのに、懐の深い良い人!