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17件
11人いる!
著者 萩尾 望都
宇宙大学受験会場、最終テストは外部との接触を絶たれた宇宙船白号で53日間生きのびること。1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた! さまざまな星系からそれぞれの文化を背負ってやってきた受験生をあいつぐトラブルが襲う。疑心暗鬼のなかでの反目と友情。11人は果たして合格できるのか? 萩尾望都のSF代表作。
11人いる!
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11人いる! 新編集版
2005/05/04 01:15
ファンの悲しいサガを実感した作品です、、、
22人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
熱狂的なファンの多い萩尾望都先生の有名なSF中編です。
デビューして6年目の1975年に別冊少女コミック9〜11月号に掲載されました。
同級生の女の子に教えてもらい書店に走ったのを覚えています。
結局9月号は買えずに美容院にもらいに行きました(笑
宇宙大学国の受験者を待ちうける漂流船での奇妙なテスト。
限られた数と時間の中で、さまざまな人種と性格がぶつかり合う!
厖大な宇宙空間へ、はるかな未来へと飛翔するテスト生たちの果てぬ夢は?
(文庫初版カバー解説より)
隔絶された空間(宇宙船)の中で潜在的なトラブル(未知の11人目)をいかに処理していくか?
これが最終テストの課題です。
11人のテスト生が個性豊かに描かれています。
全員に役割があり、展開に絡んでいます。
スタートからの緊迫感がラストに至るまで途切れません。
ラストの余韻も開放感と希望にあふれるものでした。
この作品は映像化?も、さかんに行われました。
NHKドラマ、宝塚の舞台、アニメなどなど、、、
しかし、原作の緊迫感や緻密さを超えるものはありませんでした。
連載時に前後編の予定が完結編を足して3回になったのはご愛嬌ですが、、、
中学時代に友人と集まった時に偶然、11人目が来ると全員で、
「11人いる!」、、、
良い思い出です(笑
1976年に小学館文庫、1978年に萩尾望都作品集(小学館)
1986年にプチフラワーコミックススペシャル、1994年に小学館文庫より再版。
入手可能なのは小学館文庫の再版のみのようです。
他の版は古書店などでは入手は困難のようですね。
全部の版で編集が違い性格の違う本になっています。
文庫旧版は「六月の声」など初期の短編が収録されてバランスの良い短編集です。
作品集は「精霊狩り」3部作が収録されて全編SFです。
スペシャル版は続編「東の地平・西の永遠」とA4ポスター付き。
文庫新版は「11人いる!」シリ−ズでまとめています。
解説やあとがきも全部違います。
小学館の策略でしょうか?
えぇ、私は全部買いましたとも(苦笑)
その後、妹や従妹たちに持っていかれましたが初版は死守してます(爆
11人いる! 新編集版
2005/11/09 22:46
はめられるのも心地よい・・・
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリゴン - この投稿者のレビュー一覧を見る
知る人ぞ知る萩尾望都の傑作SF漫画。宇宙大学の最終試験。10人がとある廃船に乗り込むと、そこには10人ではなく11人いた・・・なぜ11人?10人のはず・・・そこから生まれる疑心暗鬼・・・誰が敵なのか味方なのか・・・女なのか男なのか?ってなんのこっちゃ・・・これは読んでみると分かる。なぜ11人なのか、答えは簡単。なのに登場人物たちに入れ込んで見えなくなる。そこが作者の狙いだろうが、まんまとはめられるのもまた心地よい。
11人いる! 新編集版
2001/06/28 10:20
名作は色あせず
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バイシクル和尚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品、名作であるという存在は知っていたのだがなぜか今まで読むことが無かった。SFというものはタイムリーに読まないと一気に風化してしまうという意識があった。名作と呼ばれるものを読んでたとえ面白くても「当時」のイメージがつきまとうと。しかし、読んでみると考えを改めさせられてしまった。ちっとも古くない。それどころかひとまわりして新しさを感じてしまった。
確かにストーリーはありがちといってしまえばそうなのだが、情報制限下において他人を「信じる、信じない」というジレンマというのは社会学の永遠の命題でもある。そのような王道を無理なく、しかも短編と言う形で仕上げているのが素晴らしいし、なんといっても面白い。
お約束的テーマの中で読み手をひきつけるのはやはり設定がしっかりしているからなのだろう。キャラクターがそれぞれはっきりとしているし、展開もスムースである。なにより読み手に対する親切心がそれを引き出しているのだろう。
私は今まで読まなかった事が悔やまれた。少女マンガという枠をとっぱらって読める、文句なし「名作」である。