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14件
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編
著者 藤子・F・不二雄(著)
もう一つのライフワークSF短編の決定版!
児童誌を基盤に活躍していた藤子・F・不二雄が1969年に初めて青年向け漫画誌『ビッグコミック』に発表した「ミノタウロスの皿」。その記念碑的名作を筆頭に、「劇画オバQ」、「ノスタル爺」、「やすらぎの館」など、ビッグコミック連載作品の前半17作を発表順に収録(解説/鏡明)。
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 4
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藤子・F・不二雄大全集 24−1 1
2012/01/26 17:43
大人のための少し不思議な世界
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プックン - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤子・F・不二雄先生の作品の全網羅を目指した『藤子・F・不二雄大全集』の1冊であり、F先生が青年誌やSF雑誌で発表した短編を収録した『異色・SF短編』の1巻です。この全集は掲載誌別に発表順が収録の原則となっており、1巻では小学館の『ビッグコミック』系列誌に1974年までに掲載された作品が収録されています(75年以降は2巻に収録)。収録作品は以下の17編です。
・ミノタウロスの皿
・カイケツ小池さん
・ボノム=底ぬけさん=
・じじぬき
・わが子・スーパーマン
・気楽に殺ろうよ
・アチタが見える
・劇画・オバQ
・イヤなイヤなイヤな奴
・休日のガンマン
・定年退食
・権敷無妾付き
・ミラクルマン
・ノスタル爺
・コロリころげた木の根っ子
・間引き
・やすらぎの館
大人に向けた作品ということもあり、皮肉が利いていたり後味が悪かったりと、児童向け漫画の第一人者というF先生の一般的なイメージとは異なった作品達が揃っています。私が特に気に入ったのは、人(によく似た生物)が牛(によく似た生物)に食用家畜として飼われている異星での出来事を描いた「ミノタウロスの皿」と、殺人が肯定されている世界を描いた「気楽に殺ろうよ」です。どちらも価値観の逆転したifの世界を描いた名作だと思います。
藤子・F・不二雄大全集 24−4 4
2016/10/21 18:20
すこし・ふしぎは永遠に
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリッサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
異色短編集はこれで最終巻。
1話完結ですがどれも読み応えがあり、
読者を「すこし・ふしぎ」な世界へと連れて行ってくれます。
おすすめは「ヒョンヒョロ」「箱舟はいっぱい」「カンビュセスの籤」
「並平家の一日」「ある日……」です。
藤子・F・不二雄大全集 24−2 2
2012/01/26 17:46
児童漫画だけではない藤子F先生の世界
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プックン - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤子・F・不二雄先生の作品の全網羅を目指した『藤子・F・不二雄大全集』の1冊であり、F先生が青年誌やSF雑誌で発表した短編を収録した『異色・SF短編』の2巻です。この全集は掲載誌別に発表順が収録の原則となっており、2巻では小学館の『ビッグコミック』系列誌に1975年以降に掲載された作品が収録されています(74年以前は1巻に収録)。収録作品は以下の20編です。
・どことなくなんとなく
・3万3千平米
・分岐点
・女には売るものがある
・あのバカは荒野をめざす
・パラレル同窓会
・クレオパトラだぞ
・タイムカメラ
・ミニチュア製造カメラ
・値ぶみカメラ
・同録スチール
・タイムマシンを作ろう
・夢カメラ
・コラージュ・カメラ
・懐古の客
・四海鏡
・親子とりかえばや
・丑の刻禍冥羅
・鉄人をひろったよ
・異人アンドロ氏
大人に向けた作品ということもあり、皮肉が利いていたり後味が悪かったりと、児童向け漫画の第一人者というF先生の一般的なイメージとは異なった作品達が揃っています。収録作品のおよそ半分となる9編は謎のセールスマン・ヨドバ氏が不思議なカメラを現代人に売りつけようとしてカメラで騒動が起きるカメラシリーズが占めています。
私が特に気に入ったのは、老人がタイムスリップして過去の自分に異なった人生を歩ませようとする様を描いた「あのバカは荒野をめざす」と、様々なパラレル世界の同一人物が一堂にあつまる「パラレル同窓会」です。どちらも人間が年を重ねた時につい考えてしまう過去の自分への思いを描いており、自分がこの状況ならとつい空想してみたくなる作品です。