華なるもの
著者 西つるみ
「院御所を騒がすは美しい犬。」時は平安末期。武家の三男と卑しい出自でありながら、権力者たちの寝所を渡り歩き、上皇の寵人となった高前(たかさき)。美しい成り上がり者として畏怖と羨望の視線を集める高前だったが、有力貴族の御曹司・智実(ともざね)からは素直な好意を寄せられ、その余裕を不愉快に感じていた。しかし、二人の関係が決定的に変わる事件が起こり―。引けぬ意地と激情が絡み合う切なく底深い大人の恋愛劇、“数年後”を描く掌編を描き下ろし。
華なるもの
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2022/01/23 01:26
はじめての平安BL
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miina - この投稿者のレビュー一覧を見る
平安好き故に平安モノは敬遠してましたがレビューを見て読んでみました。やはり調度品等に疑問があり気になるところもありましたが概ね楽しむことができました。
院政期という天皇、院、貴族、武士とこれまでの公家社会とは異なる社会への変貌と従来の社会体制、習慣とが重なる時代。
主人公は美しいものの生まれが卑しく軽んじられる存在で鬱屈した精神を持ち合わせている人物です。それ故に褒められた人物ではないとも思います。だからこそ、ハッピーエンドではなく複雑な思いを抱えたこのエンドはいいな、と思いました。
華なるもの
2019/09/25 22:40
めくるめく平安末期BL
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆん - この投稿者のレビュー一覧を見る
平安時代BL、しかもファンタジーなし、ということで、珍しく思って購入しました。勿論、美しい装丁にも惹かれて。
平安末期、院政期の設定ということで、源氏物語のような華々しい王朝の時代とは違うため、全く知らずに読むと少し大変かもしれません。政治的要素も一冊完結のBLにしては濃い方かと。
全体としては、何度も読む内に味わい深くなる印象です。一度目は昇進や家柄を覚えるのに精一杯で、高前の心情まで追いきれず、智実との関係もしっくりきませんでした。しかし、三度目辺りでやっと、高前の感情が伝わってきたように思いました。綺麗に花を使った心理描写に感動します。
恋愛ものとしては、一筋縄ではいかない作品に思えます。メインカップルの感情が伝わりづらいといえばそうなのですが、空白として想像の余地を残しているのが、逆に読者感情に働きかけているのではないかと個人的には感じました。
絵は爽やかで見やすく、手書き感のある線が好印象です。
2024/03/08 07:09
ふわぁ~。切なー。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Emiria - この投稿者のレビュー一覧を見る
身体と頭でのし上がったのに。
最後は一人きりで亡くなった…。
幸せだったのか?
最後までお互いを思ってたから幸せ?
ハピエンちゃそうだし…バットエンドちゃそうだし。
…本人が幸せなら良いのか。