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12件
ひきだしにテラリウム
著者 著者:九井 諒子
ようこそ、ショートショートのワンダーランドへ。笑顔と涙、驚きと共感。コメディ、昔話、ファンタジー、SF……新進の気鋭、九井諒子が描く万華鏡のようにきらめく掌編33篇。―Web文芸誌マトグロッソでの、2011年8月~2012年12月の約1年半の連載分全篇のほか、「えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編」「神のみぞ知る」、描き下ろし作品も収録。
ひきだしにテラリウム
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ひきだしにテラリウム
2013/04/22 13:29
無限に広がる引き出し
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:太一ぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白いなら漫画は短い方がいい。というのが私の考えで、今回手に取ったのは、なんと、短い話なら2Pで終わってしまう、掌篇集なのです。読んでいて非常に驚いた点は、話の幅と漫画表現の幅が広いという点です。
話の幅というのはファンタジー~日常~SFという幅で、ホラーやミステリーは含まれていませんが(よーく思い返せば極微量に存在しますがw)、単純に笑える話から考えさせられるお話など物語のテンションも起伏に富んでおり、最後まで飽きさせません。
次に表現の幅ですが、作品によって絵のタッチが変わります。非常に書き込みが多い絵の話があれば、一気に簡略化された絵の話もあります。なかには複数の絵柄を一つの作品に使ってるものもあります。また絵柄だけでなく、記号表現の使い方が面白いです。『記号を食べる』では文字通り純然たる記号(○とか□とか)を調理して食べるというそれだけの漫画なんですが、不思議とおいしそう。また『スペースお尺度』では太陽系の模型が出てきますが惑星名がわざわざかかれています。余計な所にまで名前が書かれているのが、なんとも言えない笑いを誘います。
色とりどりのお話と表現が様々に重なり合う様は、なるほど、帯に書かれてある「万華鏡のようにきらめく掌篇33篇」とはかなり上手にこの本をあらわしています。
時に考えさせられ、クスリと笑え、なんども読み返したくなる、そんなお話がぎっしりつまってます。表紙を見てカワイイって思った方にもオススメできます。言い忘れていましたが、登場するキャラクター、みんなステキなんですよ!
ひきだしにテラリウム
2017/01/15 13:48
少し不思議のほうのSF
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ずーと - この投稿者のレビュー一覧を見る
九井諒子さんの作品でいつも感心するのは、想像力と説得力です。
この短編集もその二つが溢れており、龍が身近にいるように感じたり、四角が美味しそうに見えたりします。
これを読んだあとは少し世界が可愛く見えるかも。
ひきだしにテラリウム
2016/08/14 09:16
素晴らしいの一言
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rumo - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編よりも短いショート・ショート。
九井先生の短編集も2冊読みましたが、それはどれもできが良かったけどさすがにショート・ショートは無理ネタあるか?と思っちゃったのですが、まさかの1ぺんも手抜きなし!
他の作家だったらこのショート・ショート1本で1作品ネタ書けるでしょ!というクオリティ。
シュールギャグにブラックギャグと盛りだくさんでじっくり読ませてもらいました。そして笑わせてもらいました。
基本値段がお高めですが、中身にはそれ以上の価値はあります。おすすめです。